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はちみつ色の午後が過ぎてく はちみつ色の午後は何味?


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放課後の音符

読書感想文もどき。

放課後の音符(キーノート)
作:山田詠美

この作品との出会いは、中学生時代の国語の問題集でした。
思春期の少女の恋物語。主人公の高校生の少女が幼馴染の男の子に恋をするけど、彼は別の人が好きになって失恋してしまうお話でした。
中学生当時の私はその作品の何か甘酸っぱさ、切なさのようなものを感じたのでしょう。作品全体も読んでみたいと思うようになり、単行本を買いました。(ちなみに私も当時、好きな子がいましたw)

ワクワクしながら読み出したのですが……。なんというか、当時の私には刺激が強いというか、不愉快な物語でした。
主人公(とはいえ、名無しで、他人の恋話を聞く傍観者の立場にあることが多い)の友人の少女達の恋模様が中心に描かれているエピソードが多いのですが、なんとも眉をひそめたくなる内容。男と寝たとかいう下品な話やら、学校にアクセサリーはつけてくるわ、喫煙や飲酒はするわ…。特に男と寝た話なんて…なんて不良な子達なんだと呆れたものです。恋愛の物語とはいえ、高校生でこれは…。きしょいわ。
そう、道徳的な尺で私はこの物語を判断していたのです。

そんな感じで最初の頃は嫌悪感を持っていました。ただ、ちょっとえっちぃので本棚の奥の方にこっそりしまって、場所だけは忘れないようにしていましたw
たまに出してきてちょっと読んでみたり。

中学生だった私も、間もなく27歳になります。たぶん、中学生の頃と価値観やものの見方は劇的に変わっていると思います。現実の恋愛はそんなにしていませんけど、一応オタクの端くれ、いろんな恋物語を見聞きしています。
改めてこの本を読んでみると、登場する女の子達の主張がなんとなく分かるような気がします。彼女達は少し早く大人になっちゃっただけだったんですね。自分なりの恋愛感をちゃんと持っている。一見、悲劇に見えても、本人達は幸福を感じているので、こちらも悪い気持ちにはならないんですよ。

主人公の少女のパパがまたいい人。恋人ができないと悩む主人公にアドバイス。ちなみにそのパパ、主人公が幼い頃離婚しています。
「待つ時間を楽しめない女に恋をする資格なんてないよ。言い方を変えればね、いつ恋に落ちても大丈夫って自信のない女は、むやみに人を好きになんてなっちゃいけないんだ」
そう言って、主人公にママが使っていた香水をプレゼントするんです。この香水を使ったのがきっかけで、主人公にも彼氏ができました。しかも、それはかつて失恋した幼馴染の男の子という。私はここが気に入っているんです。一度リセットした恋心が別の形で実ったというのが。今はもっとよく理解できます。彼女が素敵な女性に進化できたからモテるようになったのだと。

作者はあとがきで、良い大人と悪い大人を区別できる目を養えと言っています。人生のいつくしみ方を知っているのが良い大人。時間、お金、感情全てにおいてけちな人が悪い大人ということです。どんなに無駄だと思えることでも、それを積み重ねないと良い大人にはなれない。どんなに悲しいことがあっても、後になれば、それは素晴らしい無駄使いの思い出として蓄積されるのだといいます。つまりは結局、人生に無駄なことなんてないんですよね。

この作品、「山田詠美」のウィキペディアによると、現代の日本語作家にも大きな影響を与えていると言えるらしいです。私は、実は偉大な作品と出会っていたんだなと、今は誇らしく思っています。ホント、今では素敵でお気に入りの一冊です。処分しなくてよかったとつくづく思います。
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by konosetu | 2010-05-10 23:54 | 話題なの~♪(^▽^) | Trackback | Comments(0)