「平凡」に甘んじていてはいけない
「平凡」からの脱却。
連日ユータ攻略に向け、シチュエーションやセリフのチェック、レポート作成に大奮闘の桂馬。対してちょっとテキトーな当事者・ちひろ。
ともあれ、桂馬の綿密な計画による攻略は順調に進み、そしていよいよ告白イベント当日――
突如、ちひろは告白をやめると言い出します。
そんないい加減な態度に、桂馬は遂に激怒。ついきつい言葉を浴びせてしまい、ちひろは逃げ出してしまいます。
ちひろの告白相手のことばかりに気を取られ、ちひろ自身を見ていなかった。思わぬ自分のミスを悔いる桂馬。
あまりに平凡な自分に嫌悪してしまっているちひろ。何をやっても自分は平凡で中途半端。最初から全てを諦めているちひろ。いくら努力したところで自分がアイドルになれるわけがないと決め付ける彼女に、桂馬は
「それはちひろ次第だ!」
「ちひろが望めばできるよ。たかがリアルだ。ちひろなら楽勝だ!」
ちひろの唇を奪い、
「大丈夫、できるよ。ちひろなら、できる。不安になったときはいつでも僕が助けてやる」
ようやくちひろは心を開き、駆け魂はエルシィによって回収されました。
その後、すっかり前向きになったちひろ。バンドを組もうとエルシィを誘います。その心は雨のやんだ青空のようで…。
リアルはクソゲー。なのに、みんなこんなリアルに四苦八苦している。自分はどうなのだろうと自問自答する桂馬で…。
最後にはちょっと強引に解決しましたね。桂馬は必死でしたけど、説得しきれていなかったような気もします。ちひろの気持ちが桂馬へ傾いていたため、キスが成功したようなものでしたねぇ。
桂馬にも失敗はあるということなのでしょう。他のことに気を取られ、肝心のちひろへ気を配るのが疎かになってしまっていた。それは桂馬自身も認めました。
ゲームのこととなるとどこまでもクールで完璧なのですが、リアルのことになるとみんなと同じように四苦八苦している。そんなところに人間臭さを感じます。だからこそ、我々視聴者(読者)は桂馬に共感できるのです。
そして苦しみを乗り越えてこそ人は成長し、強くなれるんですよねぇ。完璧じゃない状態は苦しいけど、それは自分を進歩させられるチャンスというわけですな。
平凡であることに甘んじるより、リアルで四苦八苦して困難を乗り越える。そのときに得られる達成感は何ものにも変えがたい宝物なのです。