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虹色の奇跡 第27回「優しさとプライド」

約30分続いた刹那VSマーズの決闘が幕を下ろした。
刹那はネプチューンのカードの効果を解除した。
倒れてうなだれているマーズを眺めながら、立会人のデイモスが悔しそうに言った。
「勝負あり…桜咲刹那の勝利…」
「やった~!やったえせっちゃ~ん!」
このかが飛び跳ねる。
「ぐうううう…ま、負けた…完全なる敗北。…もういい…私にトドメをさせろ…このまま生き恥など、さらしたくない…」
マーズは倒れたまま横を向き、刹那に言った。
「フン、無抵抗のヤツをいたぶる趣味などない。」
「ぐうううう…情けなど無用だ!お前に情けをかけられるぐらいなら!おい、フォボス!」
「は、はっ!」
フォボスがこのかに刃物を突きつける。
「はわわ…せっちゃん…」
「このちゃん!貴様…」
「近衛木乃香に傷をつけられたくなければひと思いに私にトドメを刺せ!」
「くっ、お前もおかしなヤツだ。しかたがない、終わりだ!」
「待って!待ってよ!」
「殺さないでくださーい!」
2人の小さな少女たちがこちらへ駆けて来た。
「な、鳴滝さんたち!?どうしてここに!?」
刹那は驚愕した。
「マーズさんを殺さないで。マーズさんは罠にかかったボクらを救ってくれたんだよ。」
「うん。本当はいい人なんだよ。だから。」
「お前たち…もういいんだ。私はこいつに負けた以上、もう生きている資格なんて…。」
パシッ!
頬をたたく音がこだました。驚き目を丸くするマーズ。
頬をたたいたのは彼女の部下…いや幼馴染のデイモスであった。
「すまんマーズ…しかし、君は昔からこうだ、突っ走って敗れてはすぐに死を選ぼうとして…。もっと自分を大切にしてくれ。お願いだから。」
そう言ってデイモスはマーズを抱きしめた。
「ううう…うう…うあああああ!!」
マーズはデイモスの胸で号泣した。
他の者は困惑の表情。
マーズはまるで幼い子供のように泣きじゃくった。
デイモスはそれを優しく受け止める。

と、そこに、
「やっぱり…あんたなんかには任せられないわね。」
「なっ、ヴィーナス!?」
とマーズは驚愕の表情を浮かべた。
「ヴィーナス…金星か?」
と刹那。
みなが振り向くと、黄金のドレスに身を包んだ美女が高台に立っていた。
「火の封印は解かさせん。それから近衛木乃香、そして桜咲刹那、お前たちには一緒に来てもらおう。我らのマスター、サン様のためにな!」
「サン、だと?」
刹那は身構えた。
ところが、突如男の悲鳴が響いた。
「ぐああああああああ!!」
「フォボス!?」
マーズが振り返ると、フォボスが槍状の岩に貫かれていた。
「よくやりましたわ、岩使いのタイタン。あんたをサータンから借りてきて正解だったようね。」
ヴィーナスはタイタンと呼ばれたゴーレムを称えた。
ちなみにタイタンは土星の衛星。金星の称号を持つヴィーナスはタイタンをサータンからいわばレンタルしている。
「ぐぐ…マーズ…生きろ…生きるんだ……」
そう言い遺し、フォボスはカードへと姿を変えた。
「ああ…そんな…フォボスゥー!」
悲痛な声を上げるマーズ。
「貴様!仲間ではなかったのか?」
「役立たずの仲間なんていなくなってしまえばいいのよ。」
ヴィーナスがほくそ笑む。
「この!奥義 雷鳴剣!!」
ヴィーナスに向けて発射!
ドオオオオオーン!!!
直撃。…ところが全く通用していない。
「バ、バカな!?」
驚愕する刹那。さらに、
「離して、離してや!」
このかが敵の手に落ちてしまった。
「このちゃん!!」
「お手柄ですわ、レア。」
「よくも…よくもフォボスを…」
マーズは再び復讐の鬼と化した。
しかし、今度の矛先は神鳴流剣士ではなく、かつての仲間であったヴィーナスであった。
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by konosetu | 2001-01-01 00:27 | 自作小説 | Comments(0)

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