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虹色の奇跡 第31回「声が似てる!?」

時は夕方。遺跡近くの発掘チームのキャンプ場。
「う~ん、おいしい~。」
桜子が満足そうに言った。
「ほんと、お昼のカレーも最高だったけど、この海の幸や山の幸のフルコースはまた格別だね。」
裕奈も大絶賛だ。他のみんなも頷く。
「どれもこの辺りで取れたものなんだよね。いくらでも食べられちゃう。」
まき絵はどんどん料理を取ってガツガツ食べる。
「まったくまき絵さんも桜子さんももっとお上品に食べられませんこと?」
あやかが呆れた表情で言う。そこへ、料理上手な長髪の女性Sこと前原しのぶが笑みを浮かべながら言った。
「ウフフ…よく食べるのはいいことだよ。遠慮せずどんどん食べてね。」
「「「「「「はーい!!」」」」」」」
みんな一斉に答えた。
「(やっぱり幼稚園児レベルですね…)」
夕映は呆れてかぶりを振った。
「それにしてもまき絵ちゃんの声ってほんとなるさんに似てますよね。」
しのぶがまき絵たちをここに連れてきた女性Nこと成瀬川なるに話を振った。
「そうね。似ているといえば…」
なるはのどかのほうを向いた。
「のどかちゃんだっけ?この子昔のあなたに似てない?」
「ええ?あは、そうかもしれませんね。」
しのぶは微笑みながらのどかの方を向いた。
「え?あ、あの~…」
見つめられて思わず赤くなるのどか。
「あはは、引っ込み思案なところまでそっくりじゃない。」
なるが楽しそうに言う。
「ほんとですね。すぐにオロオロしてしまうところとかも。」
オトボケお姉さんのMこと乙姫むつみがニコニコしながら言った。
しのぶは今度はアキラのほうを向きながら。
「はは、そうですね。それからアキラちゃんでしたっけ?やっぱり素子さんに似てる~。それでその素子さんは今どちらに?」
「ああ、残念だけど今出かけちゃってて…」
なるが答えると、和美が
「早く帰ってこないかね~。そのアキラに似ている人の写真を取らせてもらいたいんだけど。」
とまだかまだかといった態度でぼやく。
「仕方がありませんよ、彼女は忙しくてもうしばらく帰って来れませんから。」
「どうしてゆえっち?」
ハルナが尋ねた。
「今の私じゃありません。」
「へ?」
「ああ、お帰りなさい、カナちゃん。お疲れ様。用事はもう済んだの?あれ、その子達は?」
なるが話しかけると、変装名人Kこと浦島可奈子は脇に抱えていた2人の少女をゆっくりと下ろして答えた。
「いえ、この子たちをここに送り届けるためにちょっと立ち寄っただけです。すぐに次の仕事に行かないと。」
「そっか。それじゃすごく大変なことに…。ご飯も食べてられないのね。」
「はい、それでは。」
「気をつけてね。」
なるは去っていく可奈子に言葉を投げかけた。
円が指摘する。
「ねえ、今の人の声って夕映の声に似てない?」
「うんうん、確かにそうかも。」
「似てる似てる。」
夏美や美砂も賛同する。
「そ、そうでしょうか…」
『クァーサーティー』を飲みながら夕映がつぶやく。
「アノ声はまさにゆえっち。これもいいネタになりそうだな…。ニシシ…」
和美が含み笑いをした。
「あら、今の方が連れて来られたの、鳴滝さんたちではありませんか?」
あやかが気づいた。
「ありゃ、ほんまや。なんでこの双子が?」
亜子が首を傾げる。
「あら、あなたたちの知り合いだったの。まあとにかくテントの方へ運んであげないとね。」
そう言ってなるがしのぶと共に、未だ寝息を立てている鳴滝姉妹を抱き上げた。



だんだん日が落ちて辺りが暗くなっていく。
薄暗い中、1人の女性剣士が目を光らせている。
胴着を着て凛々しい表情をしており、彼女が勇ましく見える。
彼女は日が落ちきった空を見上げた。
少し風が強くなったようだ。
その風も空気が湿ったためか、生暖かい。
風・水・火の神殿の力が解放された結果であった。
「残るは地の神殿のみか…。間もなくだな。頼んだぞ後輩たちよ。」
その女剣士Mは明るく光る月を眺めながらそうつぶやいた。
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by konosetu | 2001-01-01 00:31 | 自作小説 | Comments(0)

はちみつ色の午後が過ぎてく はちみつ色の午後は何味?


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