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虹色の奇跡 第60回「脅威の力」

フォシテスが雨子にトドメをさせようと、バズーカを発射させようとしたまさにそのとき、地下から美幸が!
フォシテスはそちらに気をとられ、目を逸らした。その隙を狙ってフォシテスを蹴り飛ばす。そして美幸の方へ跳躍!
「美幸―!!」
次の瞬間、遺跡の地下から吹き飛ばされた美幸は、うまく雨子にキャッチされていた。
「ザマあないけど、しかたがない。ここは退散だ!」
雨子は美幸を肩に担ぎ上げ、大きく跳躍する。
「逃がすか!」
体勢を立て直したフォシテスが、雨子に向かってバズーカを発砲する。雨子の背中に着弾するが、彼女は構わず逃げ続ける。
「夢蜘蛛の攻撃を受けてみるかい?まだ反撃に使っていないダメージ分のエネルギーが残っているよ。」
「なっ!カイゼル!?」
雨子の前にカイゼルが出現する。
「がはあっ!!」
その一瞬の後、雨子の腹にめり込むような強烈な衝撃が襲った。美幸がカイゼルに与えるはずだったパンチのダメージだ。
「ああ…」
そのまま崩れ落ちる雨子。美幸が地に落ちる。
「カイゼル様!お久しゅうございます!」
フォシテスがカイゼルの姿を見て、表情をパッと明るくする。
「うむ。よくぞ来てくれた。わが同志フォシテス。」
「いいえ、もったいないお言葉。このフォシテス、必ずやあなたをお守りします。」
フォシテスは深々と頭を下げる。
「さて、この娘2人はいかがいたしましょう?」
「処刑だ。危険の芽は今の内に紡いでしまわねば…」
「ははっ!」
フォシテスがキャノン砲に変形させた腕を美幸達に構える。
「死ね!」
「させない!」
ズオオオオーン!!
「なに、新手か!?」
フォシテスは驚きに目を見開く。開いた異世界ゲートから2人の人物が降り立ち、美幸達を守った。
「救世主、安部 将太(あべしょうた)参上!!」
「同じく救世主、花美真司 美奈(はなみしんじみな)参上!!」
1人の少年と1人の少女が美幸達を救出に現れた。
「お前ら!」
「雨子さん、早くゲートへ!」
将太が美幸を担ぎながら叫ぶ。美奈が雨子の手を引きながらゲートへと走り出す。
「逃がすか!」
フォシテスのキャノン砲の音が鳴り響く中、4人は命からがらゲートへと逃げ込んだのだった。


「すみません、カイゼル様。やつらを取り逃がしました。」
フォシテスが申し訳なさそうに頭を下げる。
「もうよい。それよりも私はウェイアードへ帰る前に欲しいものがある。この遺跡に納められ、私を眠らせていたあの黄色い宝石。あれを…」
「了解しました。ありかはおおよそ分かっていますので、ただ今…」
「いや、私が自ら行く。共に来い。」
「ははっ!」



ウェイアード、シンフォニア学園都市。大浴場施設。
自然豊かなシンフォニア学園都市の山中から湧き出てくる聖水。
この聖水が、この浴場の利用者達の心身を癒し、温かく包み込んでいるのだ。学園都市に住んでいる者なら入ったことのない者はほとんどいない、そんな魅力溢れる浴場。
「フゥ…」
世羅零菜は、大浴場で戦いの疲れを癒している。今は他に利用者がいない。普段は利用されることのない時間帯だからだ。
そのため、零菜はこのとてつもなく豪勢な浴場を独り占め状態だ。彼女は傷が緩やかに回復しているのを感じていた。
「ダグバ…ディバイン・クルセイダーズ、か。いかれた魔族どもだな。」
落ち着きを取り戻したものの、やはりダグバとの一件が頭から離れない。
「アイツは私の事を…。いや、そんなことはありえない。決して…」
頭に浮かんだことを、首を振ることで打ち消そうとする。顔を両手でペシペシと叩く。
「まったく…ん?」
零菜は気づいた。浴場に誰かが入ってくる。気配は2人。それも零菜がよく知る2人。
「美幸に雨子か。」
花美真司美幸と国後雨子は下を向いている。生々しい傷跡が体中に見られる。
回復魔法をかけてもらったようだが、それでも傷がくっきりと残っているということは、よほどひどいダメージを負ったのだろう。
再生能力の強い奴らだからすぐに完治するだろうが、傷跡が残ってしまうかもしれない。
「カイゼルはどうなった?」
零菜はおもむろに聴いてみた。
「……」
「……」
2人の沈黙がすべてを物語っていた。零菜は一応慰めの言葉をかけてみる。
「…そうか。…まあ気にするな、と言ってもムリだとは思うが、とにかく自分を責めんな。大事なのはこれからのことなんだし。」
そこでようやく2人は顔を上げた。表情は闘志満々となっていた。
「ああ、分かっているよ!」
美幸が自分の広げた左の手の平に、右手の拳を叩き込みながら意気込んだ。
「今度会ったら、叩き潰す!」
雨子も拳を前へ突き出す仕草をする。零菜は満足そうな表情をして、後輩達に笑顔を向けた。
「ようし、それでよし!それでこそ我が夢蜘蛛一族だ!」
雨子は違うけど。
「まあ、今はゆっくり休んで、今度戦うときは盛大にやるとしよう。」
零菜は湯船に入るよう、2人を促す。そこに花美真司美奈も入って来た。これで寮のルームメイト4人組が揃ったわけだ。
「あれれ?美幸さんも雨子さんも元気になられたんですね。」
美奈がニッコリと笑いながら湯船に入ってくる。
「あたぼうよ!こんなことじゃあへこたれないぜ。」
雨子が言いながら美奈を羽交い絞めにする。
「え?え?あわわ…」
「モチのロン!…ところで美奈ちゃん。また胸が大きくなったね~♪」
美幸が手を伸ばして…
「ひゃっ!い、いや~ん…」
美奈は顔を高潮させて悶える。
その光景を目の当たりにして、零菜は口まで湯船につけてブクブクしたのだった。ちょっとダグバにされそうになったことを思い出しながら…



「どうした。カイゼルとやら!たいしたことないな!アハハハハハ!!」
エヴァの高笑いが辺りに響く。カイゼルは劣勢を強いられていた。おそらく美幸達との戦闘で体力を使い果たしてしまったのだろう。
復活したばかりなので、体力も続かず、回復も遅いのだ。返り討ちに遭うのが関の山だった。
「ダメージカウンターが通じない。ナゼだ!?」
カイゼルは焦っていた。花美真司美幸を撃退した技がこいつら――マホラワールドの連中――には通用しない!
「カイゼル様!ここはお退きを!せっかく復活したというのに、こんなところでは負けられません!」
フォシテスが叫ぶ。
「逃がすかー!!雷鳴剣弐の太刀!!」
素子の技がほとんどの下っ端たちを葬った。
「てええええい!」
小太郎がフォシテスに殴かかる。
「くそっ!」
腕に装着した銃をバルカン砲タイプにして撃ちまくるが、小太郎にはまるで通じない。
「どりゃああ!」
「うおおおお!?」
フォシテスがぶっ飛ぶ!そのまま地面をえぐりながら、ズザザザザザーッと…。
そのときだった。異次元ゲートが再び出現し、開いた。
「大丈夫ですか、カイゼル様?」
「プロネーマか。よくぞ来てくれた。」
カイゼルがそのプロネーマと呼ばれた女を賞賛する。
「今からゲートを暴走させてやつらを撒きます。しっかり私に捕まってください。」
「ああ、分かった!」
ネギ達は新たな来訪者に警戒心を高める。
「いきます!」
プロネーマが叫んだ瞬間だった。辺り一帯に何十もの異世界ゲートが一斉に開いた。
「何これー!?!?」
アスナが叫ぶ。ゲートはそれぞれ強烈な吸引力でみんなを吸い込もうとする。そのどさくさに紛れてカイゼルとプロネーマ、そしてフォシテスも姿を消していた。
「あいつらどこにいったんや!?」
小太郎が叫ぶ。
「それよりこの暴風を何とか…」
素子が言いかけた瞬間だった。このかが足を滑らせた。
「はわっ!せっちゃーん!!」
「このちゃん!?くそっ!!」
とっさにこのかの手を握る刹那。しかし吸い込みはますます強力になり、やがて…
「ひゃああああああ!!」
「うわああああああ!!」
このかも刹那も暴走した異世界ゲートに飲み込まれていった。
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by konosetu | 2001-01-01 01:00 | 自作小説 | Comments(0)

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