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はちみつ色の午後が過ぎてく はちみつ色の午後は何味?


by konosetu
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フォシテスが雨子にトドメをさせようと、バズーカを発射させようとしたまさにそのとき、地下から美幸が!
フォシテスはそちらに気をとられ、目を逸らした。その隙を狙ってフォシテスを蹴り飛ばす。そして美幸の方へ跳躍!
「美幸―!!」
次の瞬間、遺跡の地下から吹き飛ばされた美幸は、うまく雨子にキャッチされていた。
「ザマあないけど、しかたがない。ここは退散だ!」
雨子は美幸を肩に担ぎ上げ、大きく跳躍する。
「逃がすか!」
体勢を立て直したフォシテスが、雨子に向かってバズーカを発砲する。雨子の背中に着弾するが、彼女は構わず逃げ続ける。
「夢蜘蛛の攻撃を受けてみるかい?まだ反撃に使っていないダメージ分のエネルギーが残っているよ。」
「なっ!カイゼル!?」
雨子の前にカイゼルが出現する。
「がはあっ!!」
その一瞬の後、雨子の腹にめり込むような強烈な衝撃が襲った。美幸がカイゼルに与えるはずだったパンチのダメージだ。
「ああ…」
そのまま崩れ落ちる雨子。美幸が地に落ちる。
「カイゼル様!お久しゅうございます!」
フォシテスがカイゼルの姿を見て、表情をパッと明るくする。
「うむ。よくぞ来てくれた。わが同志フォシテス。」
「いいえ、もったいないお言葉。このフォシテス、必ずやあなたをお守りします。」
フォシテスは深々と頭を下げる。
「さて、この娘2人はいかがいたしましょう?」
「処刑だ。危険の芽は今の内に紡いでしまわねば…」
「ははっ!」
フォシテスがキャノン砲に変形させた腕を美幸達に構える。
「死ね!」
「させない!」
ズオオオオーン!!
「なに、新手か!?」
フォシテスは驚きに目を見開く。開いた異世界ゲートから2人の人物が降り立ち、美幸達を守った。
「救世主、安部 将太(あべしょうた)参上!!」
「同じく救世主、花美真司 美奈(はなみしんじみな)参上!!」
1人の少年と1人の少女が美幸達を救出に現れた。
「お前ら!」
「雨子さん、早くゲートへ!」
将太が美幸を担ぎながら叫ぶ。美奈が雨子の手を引きながらゲートへと走り出す。
「逃がすか!」
フォシテスのキャノン砲の音が鳴り響く中、4人は命からがらゲートへと逃げ込んだのだった。


「すみません、カイゼル様。やつらを取り逃がしました。」
フォシテスが申し訳なさそうに頭を下げる。
「もうよい。それよりも私はウェイアードへ帰る前に欲しいものがある。この遺跡に納められ、私を眠らせていたあの黄色い宝石。あれを…」
「了解しました。ありかはおおよそ分かっていますので、ただ今…」
「いや、私が自ら行く。共に来い。」
「ははっ!」



ウェイアード、シンフォニア学園都市。大浴場施設。
自然豊かなシンフォニア学園都市の山中から湧き出てくる聖水。
この聖水が、この浴場の利用者達の心身を癒し、温かく包み込んでいるのだ。学園都市に住んでいる者なら入ったことのない者はほとんどいない、そんな魅力溢れる浴場。
「フゥ…」
世羅零菜は、大浴場で戦いの疲れを癒している。今は他に利用者がいない。普段は利用されることのない時間帯だからだ。
そのため、零菜はこのとてつもなく豪勢な浴場を独り占め状態だ。彼女は傷が緩やかに回復しているのを感じていた。
「ダグバ…ディバイン・クルセイダーズ、か。いかれた魔族どもだな。」
落ち着きを取り戻したものの、やはりダグバとの一件が頭から離れない。
「アイツは私の事を…。いや、そんなことはありえない。決して…」
頭に浮かんだことを、首を振ることで打ち消そうとする。顔を両手でペシペシと叩く。
「まったく…ん?」
零菜は気づいた。浴場に誰かが入ってくる。気配は2人。それも零菜がよく知る2人。
「美幸に雨子か。」
花美真司美幸と国後雨子は下を向いている。生々しい傷跡が体中に見られる。
回復魔法をかけてもらったようだが、それでも傷がくっきりと残っているということは、よほどひどいダメージを負ったのだろう。
再生能力の強い奴らだからすぐに完治するだろうが、傷跡が残ってしまうかもしれない。
「カイゼルはどうなった?」
零菜はおもむろに聴いてみた。
「……」
「……」
2人の沈黙がすべてを物語っていた。零菜は一応慰めの言葉をかけてみる。
「…そうか。…まあ気にするな、と言ってもムリだとは思うが、とにかく自分を責めんな。大事なのはこれからのことなんだし。」
そこでようやく2人は顔を上げた。表情は闘志満々となっていた。
「ああ、分かっているよ!」
美幸が自分の広げた左の手の平に、右手の拳を叩き込みながら意気込んだ。
「今度会ったら、叩き潰す!」
雨子も拳を前へ突き出す仕草をする。零菜は満足そうな表情をして、後輩達に笑顔を向けた。
「ようし、それでよし!それでこそ我が夢蜘蛛一族だ!」
雨子は違うけど。
「まあ、今はゆっくり休んで、今度戦うときは盛大にやるとしよう。」
零菜は湯船に入るよう、2人を促す。そこに花美真司美奈も入って来た。これで寮のルームメイト4人組が揃ったわけだ。
「あれれ?美幸さんも雨子さんも元気になられたんですね。」
美奈がニッコリと笑いながら湯船に入ってくる。
「あたぼうよ!こんなことじゃあへこたれないぜ。」
雨子が言いながら美奈を羽交い絞めにする。
「え?え?あわわ…」
「モチのロン!…ところで美奈ちゃん。また胸が大きくなったね~♪」
美幸が手を伸ばして…
「ひゃっ!い、いや~ん…」
美奈は顔を高潮させて悶える。
その光景を目の当たりにして、零菜は口まで湯船につけてブクブクしたのだった。ちょっとダグバにされそうになったことを思い出しながら…



「どうした。カイゼルとやら!たいしたことないな!アハハハハハ!!」
エヴァの高笑いが辺りに響く。カイゼルは劣勢を強いられていた。おそらく美幸達との戦闘で体力を使い果たしてしまったのだろう。
復活したばかりなので、体力も続かず、回復も遅いのだ。返り討ちに遭うのが関の山だった。
「ダメージカウンターが通じない。ナゼだ!?」
カイゼルは焦っていた。花美真司美幸を撃退した技がこいつら――マホラワールドの連中――には通用しない!
「カイゼル様!ここはお退きを!せっかく復活したというのに、こんなところでは負けられません!」
フォシテスが叫ぶ。
「逃がすかー!!雷鳴剣弐の太刀!!」
素子の技がほとんどの下っ端たちを葬った。
「てええええい!」
小太郎がフォシテスに殴かかる。
「くそっ!」
腕に装着した銃をバルカン砲タイプにして撃ちまくるが、小太郎にはまるで通じない。
「どりゃああ!」
「うおおおお!?」
フォシテスがぶっ飛ぶ!そのまま地面をえぐりながら、ズザザザザザーッと…。
そのときだった。異次元ゲートが再び出現し、開いた。
「大丈夫ですか、カイゼル様?」
「プロネーマか。よくぞ来てくれた。」
カイゼルがそのプロネーマと呼ばれた女を賞賛する。
「今からゲートを暴走させてやつらを撒きます。しっかり私に捕まってください。」
「ああ、分かった!」
ネギ達は新たな来訪者に警戒心を高める。
「いきます!」
プロネーマが叫んだ瞬間だった。辺り一帯に何十もの異世界ゲートが一斉に開いた。
「何これー!?!?」
アスナが叫ぶ。ゲートはそれぞれ強烈な吸引力でみんなを吸い込もうとする。そのどさくさに紛れてカイゼルとプロネーマ、そしてフォシテスも姿を消していた。
「あいつらどこにいったんや!?」
小太郎が叫ぶ。
「それよりこの暴風を何とか…」
素子が言いかけた瞬間だった。このかが足を滑らせた。
「はわっ!せっちゃーん!!」
「このちゃん!?くそっ!!」
とっさにこのかの手を握る刹那。しかし吸い込みはますます強力になり、やがて…
「ひゃああああああ!!」
「うわああああああ!!」
このかも刹那も暴走した異世界ゲートに飲み込まれていった。
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by konosetu | 2001-01-01 01:00 | 自作小説 | Comments(0)
「ひゃああああああ!!」
「うわああああああ!!」
このかも刹那も暴走した異世界ゲートに飲み込まれていった。
「くそっ!」
素子は後輩達を救うために、後に続いて飛び込んだ。
「このかー!刹那さーん!って、ひょえええー!!」
「アスナさーん!」
ネギの叫びも虚しくアスナも、このか達とは別のゲートに吸い込まれていった。
「なになに、どうしたの…って、あひょえー!」
「なんやー!?」
「まき絵さん!亜子さん!」
ネギが気づいたときにはもう遅かった。不用意に避難シェルターから外に出てきてしまったまき絵と亜子が、これまた別のゲートに吸い込まれていく。
「ちょっとー!」
なるがとっさにまき絵の手を握る。しかし、そのままなるともども吸い込まれていった。
「なるー!」
後を追うように景太郎も飛び込んでいった。
「もうだめです~!」
夕映が吸い込まれていく。
「へぷっ!?」
夕映は偶然可奈子にぶち当たって、そのまま一緒に…以下略。そして…
「きゃ~!」
「どしぇぇぇぇぇ!」
「アニキー!」
のどかと和美、そしてカモまでもが吸い込まれていった。
「もうダメアル~」
「ダメか…」
「拙者もここまでのようでござ…」
古菲・真名、そして…
「…るー!!」
楓の声も遠ざかっていった。
「ぼーや!これは…マズイ。吸い込まれたやつらを助け出すには…あっ!?」
茶々丸にしがみついていたエヴァだったが、茶々丸がバランスを崩し…以下同。
「うおおおぉぉぉぉぉ…」
「ネギ先生…」
「エヴァさん、茶々丸さん!!」
ネギは決意した。残っている小太郎に顔を向ける。
「小太郎君!」
「しゃあないな!いっちょやったるか!」
頷きあった2人は、そのまま暗いゲートへと自ら飛び込んでいったのであった。



しばらくしてなんとかゲートの暴風は治まった。現場で居合わせた中で残ったのは、自慢の発明品で何とか暴風をしのいだカオラただ1人であった。
「なんや、えらいことになってもうたな…」
さすがのカオラもなす術がない。シェルターが開いてしのぶや3―Aの面々が出てきた。
「カオラ、まき絵さんと亜子さんは見なかった?…あれ、他のみんなは?」
しのぶの質問にカオラは、答えるのに窮してしまった。
「あ、あんな…」
「あら、今ネギ先生がこちらにおられませんでしたか?」
あやかが聴いてきた。
「あの~彼が、各自解散と言ってましたよ~。」
むつみが機転を効かせてそう言った。
「あら、そうなんですの?」
「え~。もっとネギ君と遊びたかったな~。」
桜子が愚痴る。
「まあ、しょうがないんじゃない。帰ったらまた何かして遊びましょう。」
円がなだめるように言う。
「それにしても、さっきまでいったい何があったのかな?」
夏美が首を傾げる。
「さあ。あんまり気にしないほうがいいんじゃない?」
千鶴はあんまり気にしていない様子だ。
「そんじゃあひとまず帰りますか。」
美砂が言った。メンバーらはひなた荘の住民らに礼を言うと、各自で帰っていった。



カオラから事の顛末を聴いたしのぶはアワアワ目回し状態に…
「ど、どうするの、カオラー!」
「ナハハ~……」テンション下がって「どないしよ…」
途方にくれるカオラ。いつもの彼女らしくない落ち込み様だ。
「まあ、気にしたってどうにもならんのやろ。あいつらのことや。大丈夫やて。」
みつねが言った。
「そうですね。浦島さん達を信じて待ちましょう。」
むつみが優しい表情で言った。そこに裕奈とアキラが引き返してきた。
「あの、まき絵と亜子知りませんか?」
アキラが聴いてきた。
「ああ、先に帰るって言うてたで。」
みつねが機転を効かせてそう答えた。
「そうなの?分かりました。どうも。」
と裕奈。それを聴いて、裕奈とアキラは、首を傾げながらも帰っていった。



「なにこれー!?た、助けてー!!」
突如現れた異世界ゲートが、さよを吸い込もうとしている。
「さよちゃん!」
生霊となり、ひょんな成り行きからさよと知り合った、元プラネットウォーリアのネプチューンことセリアが、さよを必死につかむ。
「しっかりしろ!」
同じく生霊となった元プラネットウォーリアのマーズも手を貸す。
「なんなのじゃー!?」
学園長が柱にしがみついて叫び声を上げる。
3人はちょうど学園長室を訪ねていた。エヴァにマーズとセリアが復活するための助けを請うためだ。
しかし、エヴァは先にサンを退治しに行くと言ったので、3人は学園長室で待っていたのだ。
そのときサンが倒されるのを感じて校舎の外へと出た。そしてこんなところにもゲートが、本当に偶発的に開いてしまったのだ。
「あーれー!?」
「ウッ!」
「きゃああああ!」
1人の幽霊と2人の生霊達は異世界ゲートへと吸い込まれていってしまった。そう、なぜか呪縛霊であるはずのさよまで。
そしてゲートはあっという間に閉じてしまった。後にポツンと取り残されたのは学園長ただ1人。
「いったい何が起こっとるんじゃ?」
困惑する学園長。時刻は、人々が朝の活動を活発化させる時間帯になっていた。



「そんじゃ、そろそろウェイアードへ帰りましょうか。」
羅・尉鵡(ら・いむ)が包帯と絆創膏だらけの姿で他のみなに呼びかけた。
「ああ、わかったよ。」
同じく傷だらけの海瀬 悠が、すっかり自信と気力を失った様子で言った。
「………」
体のあちこちがアザだらけの春原 さくらは一言も喋らず、黙りこくっている。戦いに敗れたのが、よほど悔しかったのだろう。
「我々の戦いは無駄に終わった。カイゼルは復活してしまった。もうウェイアードもこの世界も終焉を迎えるだろう。」
大きなコブをこしらえたガイ・フォークスは落ち着き払って言った。もっともその内心はひどく動揺しているであろう。
「そうとは限らない、と思う。少なくともやつらがいる限り…」
伊武神 沙弥人はシンフォニアにいる戦士達のことを思い浮かべた。手にはマーズが持っていた魔剣とお守り代わりの鈴がある。
「まだ望みはある。」



「ものすごい異常値です!各地で空間が捻じ曲がっています!」
世界樹のある広場で、聡美がコンピュータの画面を見ながら驚愕の表情で興奮している。
「これは緊急事態アル。直ちに対策を講じる必要があるアルよ」
鈴音が深刻な表情で言った。何気なしに世界樹を見やる。ザワザワとざわめいている。
「このままじゃ、異世界から何が来るか分かったもんじゃないアル…」



パララケルス島。
「助けて、パパー!」
「サラ、つかまるんだ!」
瀬田がサラの方に手を伸ばす。突如開いた異世界ゲートがサラを飲み込もうとしていた。
瀬田達は破壊し尽くされた遺跡を見て回っていた。世羅零菜とダグバが熾烈な戦いを繰り広げた結果、この有様だ。
そのとき突如、ぱっかりとゲートが開き、恐ろしい吸引力で、たまたまそこにいたサラを吸い込み始めたのだ。
とっさに柱の残骸に捕まったサラだったが、ものすごい吸引力のせいで、足はゲートの方を向いて突風になびくような形になっている。
「うわあああ!!」
「サラ!!」
「サラ!!」
瀬田の手をつかみ損ねたサラは、暗いゲートの中へと吸い込まれていった。その瞬間ゲートは、まるで意思を持った生物が獲物を丸呑みにように口を閉ざしてしまった。
あっという間の出来事に、残された瀬田とはるかは、ただ呆然とするしかなかった。



異世界ウェイアード。魔法の国。人々が魔法を一般的に使って暮らしている国。
ウェイアードで、ネギ達の世界、通称“マホラワールド”や“地球”と呼ばれる世界を知っている人々は数多くいる。
しかし反対にネギ達の世界でウェイアードの存在を知る者はほんの一握りの者だけ。魔法の存在を知らない者が、ほとんどであるから当然といえば当然である。
ネギ達は今、そのウェイアードへと旅立った。人々が幸せに暮らす世界。しかし、この世界にも危機が迫っていた。
そして更に、ネギ達がサンを倒すために遺跡の封印を解いてしまったことにより、ウェイアードは混沌という泥沼の中へと沈もうとしている。


「向こうの世界の子達が来ちゃった、か…。いったいどうなるのかな。」
シンフォニア学園都市の高台にそびえる大樹。世界樹と呼ばれるそのかなり年季の入った大木の根元で、華道芽美がつぶやいた。
心地のよいすがすがしい朝の風を顔に受けて。長い髪が風に揺れる。目を閉じて深呼吸する。
大樹もザワザワと枝と葉を揺らす。輝く緑色の葉。木漏れ日が美しい。
この日は夏休みだが、学園都市内にあるレインボー魔法学院では登校日だ。そして間もなく夏休みも終わる。
これから先もこれまでのように、平穏無事に授業をしていけるのか。芽美はそのことを気にかけている。
今数多くの悪意が世界に満ちてこようとしている。これらが一斉に暴れだしたら、果たして止める手段はあるのだろうか?
芽美は空を見上げた。眩しく煌く日の光に目を細める。そしていつの間にか近くまで来ていた若い女性に、空を見上げたまま話しかけた。
「唯菜ちゃん、感じる?“マホラワールド”にある麻帆良学園の子達が来るのを。あと、あの中の1人に黄色の宝石(ジュエル)と惑星カードを持っている子がいるね。」
「…うん。ただ、みんなバラバラみたいだから迎えにはいけそうにないね。芽美姉ちゃん。」
芽美の幼馴染であり、後輩でもある青緑 唯菜(あおみどり ゆいな)も空を見上げながら深呼吸する。
唯菜のポニーテールが揺れる。まだ幼さの残るその表情に不安の影がよぎる。
「大丈夫だよね。この世界もマホラワールドも。絶対…」
今度は唯菜が尋ねるようにつぶやく。
「信じましょう。絶対、大丈夫だよ。」
芽美は、強く微笑みながら空と世界樹“ユグドラシル”をしっかりと見据えたのだった。


隠された過去。まだ見ぬ世界。まだ見ぬ未来。人々の想い。『虹の宝石(レインボージュエル)』は真実を知っている。



戦いは…続く…………
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by konosetu | 2001-01-01 01:00 | 自作小説 | Comments(0)
「カイゼルは連れて行かせないよ。」
雨子は異世界ゲートから現れた大勢の兵士達と対峙する。敵の兵士達の中のリーダー格の人物が前に進み出た。
「やはりシンフォニアの奴らも手を打っていたか。どけ、カイゼル様を迎えに来た。」
リーダーの男が雨子を睨みつける。
「ヘン、い・や・だ・ね!どうしても親分を連れて帰りたければ、あたしを倒すんだね!」
雨子はニヤニヤと挑発的な態度で言う。
「いいだろう。後悔しても知らんぞ。やれ!」
敵のリーダーが合図すると、鎧(組織の制服なのだろう)をまとった兵士達が飛び掛ってきた。剣や槍、もしくは拳銃で武装している。
「へへ~んだ♪くらいな!!」
ダムッダムッダムッ…!!
愛用のリボルバー拳銃の引き金を引く。闇雲に飛び掛ってくるだけの兵士達は次々と倒されていく。まったくもって力の差は歴然としていた。
「数出しゃいいってモンじゃないよ!オラオラオラ!!」
次々と引き金を絞る。敵の屍がたくさん出来上がった。残ったのはリーダーだけ。

「フン、さすがだな。カイゼル様を討伐しに来ただけのことはある。」
「アタシを誰だと思っているんだい?あんなザコども何人来ようが恐れるに足りないねぇ♪」
雨子が余裕の表情で聴いた。
「聞いたことがある。『ファイティング・ゴッド(武神)』や『リボルバー・クイーン(拳銃女王)』という2つもの異名を持っている超戦士。国後雨子。だがパワーアップして復活したこの私には勝てん!」
相手は突如、腕にはめているバズーカを発射した。
「――ッ!!」
反射的に回避する雨子。背後ですさまじい大爆発が起こる。
「まだまだ!」
男はさらに今度は散弾銃を発射してきた。一度に何発も!そして連射、連射、連射!!!
「オイオイオイ…なんだ、この威力と速さは!?」
雨子は側転ジャンプで何とかかわしていく。すさまじい着弾音が辺りに響き渡る。とっさに物陰に飛び込む。
「であああ!!」
男は次に小型ミサイルを発射してきた。物陰に隠れていた雨子はやむなく跳躍する。その一瞬後に雨子の眼下で、次々と爆発が起こる。
男は跳び上がった雨子を見逃さなかった。すぐさま機関銃を発射しまくる。
ズダダダダダダダダダダ………
「わわわわわっ!!」
とっさに体をねじった雨子。しかし右わき腹を弾が掠めた。
「ぐああっ!?」
さらに男は雨子のいるところまで跳び上がり、その腹に腕にはめた銃口を突きつけて至近距離で発砲した!
ズドォォォォォーン!!
辺りが煙に覆われた。数秒後に男が地面に着地した。雨子の方はというと、体を血まみれにして背中から落ちてきた。
不運にもそこは壊れた遺跡の瓦礫があり、破片が右肩に突き刺さってしまった。
「くはっ…!」
雨子は激痛のあまりそのまま動けなくなってしまった。
「さあて、厄介な芽は今の内に潰しておくとしよう。覚悟するんだな。」
男が近づいてくる。
「くうう……。フッ、オイお前、名前ぐらい教えたらどうなんだ?」
雨子は掠れた声で何とか言葉を紡ぐ。そう言っている間もどんどん出血している。
「私の名はフォシテス。アイゼン・クロイツの幹部、7聖刃の1人だ。」
雨子は目を見開く。
「へ…へぇ。そいつぁ驚いたな。数年前にアイゼン・クロイツが壊滅した時、死んだって聞いていたけど…」
「死んでいたさ。しかし大いなる神のご加護を受けて、見事に復活した。そういうことさ。さて、お喋りはここまでだ。」
フォシテスは冷酷な眼差しを雨子に向ける。雨子は何とか形勢を覆そうと必死に思考を巡らせる。
しかし、無常にもフォシテスの腕にはめ込まれた銃口が、雨子のこめかみに突きつけられる。
それでも雨子は『ファイティング・ゴッド』の名に恥じない堂々とした態度を保ち、苦痛の中でも笑みさえ浮かべている。
「ハァハァ…。ハハハ、まだ終われないねぇ♪」



「ハハ、やっと会えたねぇ♪」
美幸は今、ある人物と対峙している。美幸は不敵な笑みを浮かべ、腕組みする。彼女は地下を進んでいった結果、その捜し求めていた人物を見つけ出したのだった。
「どこかで見たことがあると思ったら、昔エターニアで会った夢蜘蛛の娘か。久しぶりだな。あの時は私の部下達を、大勢殺してくれたね。」
女とも男とも取れるその明るく響く声を久々に聴いた美幸は、複雑な表情を浮かべる。
「相変わらずスカした奴だねぇ。いいかげん男なのか女なのかはっきりしたらどうだい?気味の悪い…」
美幸はくどくどと話しかける。相手はやんわりとした口調で返す。
「性別なんてさして重要ではないさ。それはお前がよく分かっているはずだ。肉体なんて不完全な物は幻影さ。」
その人物――アイゼン・クロイツのリーダーカイゼルは、ベールに包まれたその顔から皮肉な笑みを見せた。
「フン。まあ、世間話はこれくらいにして、始めようや。復活したばかりで悪いが、今ならお前の力も弱い。一気に消えてもらうよ。」
美幸は愛用の機関銃を構える。一方カイゼルは微動だにしない。その反応に警戒を解くことなく、美幸は慎重に、しかし豪快に攻撃に転じる。
「オラオラオラ!!」
機関銃を思い切りぶっ放す美幸。カイゼルにどんどん命中していき、いわゆる蜂の巣状態と化していく。
「うああああああ…」
カイゼルは悲鳴を上げる。美幸は弾を撃ち尽くし、今度は魔力を込めていく。ビリビリと空気が震撼してくる。
「レッド・クロス!!」
赤い色をした雷がほとばしる。それはカイゼルに炸裂し、どんどん焼け焦がしていく。ついでに自分にもわざと雷を落す。
この雷を自分で浴びれば、身体能力を一時的に向上させられるからだ。
「たりゃああああ!!」
西洋刀で斬りつけまくる。まだ紅い雷を帯びているらしく、バチッバチッと火花が散る。亜麻色のポニーテイルが揺れている。
「う、うあああ!!」
「ドドメだー!!うおおおおおー!!」
茶色い皮膚、筋骨むき出し、エイリアンのように長い顔に頭の後ろに数本の角。美幸の夢蜘蛛としての本性が顕になる。
「チェストオオオオオオ!!」
魔力を込めた渾身のパンチがカイゼルを捉えた。
「うおおおおおおお!!」
カイゼルはぶっ飛び、遺跡の地下の壁を突き破って…

チュドォォォォォーン!!

美幸は変身を解除した。それでも警戒を緩めない。
「ハァハァ…フゥ。…あっけない。あっけなさすぎる。これがウェイアードを破壊と支配の恐怖に陥れた、アイゼン・クロイツのボスの力なのか?」
美幸は疑問に思った。相手は目覚めたばかりで、まだ本調子でないとはいえ、これほど簡単にカタがつくとは思えない。
こういう場合、必ず何か良くないことがある。その予感は、美幸の戦いの熱が冷めてきた頃、2分ほど経って突然現実のものとなった
美幸はカイゼルの生死を確認しようと捜索している時であった。
「かかったな、夢蜘蛛の娘。滅!」
「なにっ!?」
カイゼルの手が美幸の体を羽交い絞めにした。身動きが取れなくなる美幸。
「チッ、放しやがれ!」
美幸はジタバタとあがく。そして何とかもう少しで引き剥がせそうになったそのときだった。
そこにとてつもない、激痛といってもまだ足りないくらいのものすごい衝撃が美幸を襲った。
「うがあああああ!!」
体中から血が吹き出る!さらには口からも流れ出る。
「な、なんじゃ…こ…」
「知りたいか?教えてやろう。ダメージカウンター。受けたダメージを吸収し、他人へと移す技だ。今お前が私に仕掛けた技のダメージは、すべてお前へと移した。私からのささやかなプレゼントだ。」
「な!?そ、そんなプレゼ…ント…いらねぇ…」
美幸の声はかすれていて、かろうじて聞き取れる程度だ。その場に倒れ込む。
「分かったろう。己の力の大きさが。お前に殴られた者の痛みがな。フフフ…」
「(なろおおお…こ、これがヤツの力だっていうのか!?それも本調子でないのに…)」
あまりの激痛のショックで、声を出すことでさえままならなくなった美幸は、それでも何とか立ち上がろうとする。
「さすがは夢蜘蛛。まだ立つか。でもお前には決して勝ち目はな…」
「であああああ!!」
カイゼルが話している最中に仕掛けた。まさに最高のタイミング。再び夢蜘蛛化して一気にたたみかける。
「眼底砕きぃぃぃぃぃ!!!!!」
美幸は相手の眼を潰してしまう、強烈な技を目にも留まらぬ速さで繰り出した。
がうっ!
骨の砕ける音がしてカイゼルがつんのめった。さらにダメ押しにと回し蹴りを脳天に叩き込む!
バコーン!!!
カイゼルは再び壁にめり込んでいった。
「ハァハァハァ…さ、さすがに防ぐ暇もなかったろ…」
美幸はニヤリと笑った。その直後だった。
「ギャアアアアア!!!」
美幸の悲痛な悲鳴が辺りに響き渡った!
「眼が、眼…があっ…!」
美幸の眼が潰された。声が途切れたのは、脳天に衝撃が走って吹き飛ばされたからだ。自分の回し蹴りのダメージをその身を待って味わう美幸。夢蜘蛛化が解ける。
「愚かだね。夢蜘蛛とあろうものが無様だよ。言ったはずだ。肉体などその者がこの世での影に過ぎんとな。私の体をいくら傷つけても私を倒すことはできない。」
カイゼルは淡々と語る。美幸の頭をグリグリと踏みつける。
「そろそろお前と遊ぶのも飽きた。終わりにさせてもらうよ。」
「くう…あ…あ…」
体の感覚がなくなってしまうほどのダメージを受けた上、視界まで奪われてしまった美幸は、寝転がったままただうなるしかなかった。
カイゼルが美幸のポニーテールをつかみ上げる。その男かも女かも分からない戦士カイゼルは、美幸にすさまじい波動を加え、地上へと吹き飛ばしたのだった。
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by konosetu | 2001-01-01 00:59 | 自作小説 | Comments(0)
「…ただいま。」
全身ボロボロの世羅零菜が帰って来た。
「お帰り~。大変だったわね。すぐ傷の手当するからね。」
芽美が手厚く零菜を出迎える。大きなタオルで零菜の体を優しく包み込む。
「…私としたことが。せっかく追い詰めておいて、もう少しのところで取り逃すなんて…」
零菜はかなり悔しそうだ。体がふるふると震えている。
「…傷の方は再生能力のおかげで、だいぶよくなってるわね。お風呂入って体を洗ってきなさいな。」
芽美が優しく笑いかける。
「私は…」
零菜はなおも体を震えさせている。敵にトドメをさせなかったことへの、自分に対しての怒りが、彼女を責め立てている。
芽美は零菜の唇に人差し指を当て、先の言葉を遮った。
「このままじゃ泥沼にはまっちゃうわよ。過ぎたことを考えるより、これからのことを考えましょ。さあ、お風呂で気分転換してきなさい。」
芽美の方を見た零菜に、ウインクしてみせる。それだけで零菜は、心が晴れていくのを感じた。
そこでようやく零菜は、パララケルス島で回収した、オレンジ色の宝石を取り出す。
「あ、そうだ。これを…」
「ありがとう。伝説の古代戦士、ユアンの作ったやつね。お手柄だよ。大事に隠しておくね。そうそう。あと宝石のことは他言無用だから…」
芽美は笑顔で宝石を受け取った。
「分かっているよ。…そういえばカイゼルの方はどうなったんだ?」
零菜が思い出したように言う。
「そっちは美幸ちゃんと雨子ちゃんに任せているわ。ついさっき遺跡の封印が解かれたの。サンは倒されたみたいだけど、案の定カイゼルは復活しちゃったみたい。」
芽美はなおも笑顔で言う。
「大丈夫。あの2人なら絶対勝てるって。」
「だといいけどさ…」
そう言うと零菜は、芽美に促され、浴場へと向かった。



「師範、来るって何が来るんです!?」
刹那がこのかの手を引き、走りながら素子に尋ねる。なぜ走っているかというと、突然神殿が崩壊を始めたからだ。
「分からない!しかし…」
「相当ヤバイものなのは、間違いない!」
エヴァが素子の代わりに答えた。
「なんで!?もうサンっていう親玉をやっつけて終わったんじゃないの?」
アスナが叫んだ。
「この気配は只者ではないでござるよ!サンよりも遥かに強力な何かでござる!」
楓が言った。彼女は夕映を背負いながら走っている。
「そんな!いったいどうなっているんです!?」
ネギがのどかの手を引きながら言った。
「とにかく脱出が先だよ!みんな、近道しよう。すぐに発掘キャンプに戻れる。」
景太郎がみんなを先導する。
「強力な何か、か。おもろそうやないか!」
「そうアルね!また腕がうずくアルよ!」
相変わらずヤル気満々な小太郎と古菲。
「そんなのんきなことを。さっき殺されそうになったばかりではないですか。」
そんな彼らに可奈子が釘を刺す。
「出口が見えたわ!」
なるが叫んだ。明かりが見える。崩落まで若干余裕を残して一同は脱出したのだった。



「うひょ~。神殿がものの見事に崩壊しちゃってるじゃん!」
神殿にたどり着いた異世界の住人、ナイスボディーな女性、花美真司 美幸(はなみしんじ みゆき)が言った。
「まあ、こういうジャンルの映画とかでは、遺跡崩壊っていうのはお決まりだけどね。」
同じくウェイアードの住人、国後 雨子(くなしり あめこ)が腕組みしながら言った。
「さて、カイゼルの奴はどこだ?」
美幸が辺りをキョロキョロ見渡しながら言う。
「探すしかないか。とはいってもこの瓦礫の中を探すのは容易じゃないねぇ。」
雨子はやれやれと首を振りながら答える。
「でもぐずぐずしていたら、アイゼン・クロイツの奴らがカイゼルを迎えに来ちまう。そうなったらかなり面倒だよ。」
美幸が言う。とりあえず瓦礫の山を歩く。雨子がふと思い出す。
「そういえば、この遺跡って地下にも広がっているんだったよね?」
「そうか。だったらちょっと掘り起こせば見つかるかも。よしさっそく…」
言いかけて美幸はハッとなる。雨子も反応する。
「この気配…奴らか!」
「くそ、いくらなんでも来るのが早すぎやしないか?」
美幸がごねる。しかし気配は強くなってくる一方だ。
「空間に歪みが!どうやらアイゼン・クロイツの奴らがカイゼルの復活を察知したようだな。そんで親分をお出迎えだ。」
そういった雨子は決心する。
「しかたがない。アタシが空間転移してくる敵を相手する。美幸は地下へ潜ってカイゼルを捜索してくれ。復活したばかりの奴ならまだ力を発揮できないはず。あんただけでも勝てる可能性は高い。」
「まあ、2人なら確実ってことで一緒に来たんだけど、もともとアタシ1人で来てもよかったぐらいなんだ。そんじゃ、ここは任せたよ。」
そう言うと美幸は、地下通路への道をすぐさま見つけ出し、奥へと進んで行った。残された雨子は現れた空間ゲートを見据える。
「さあ、どんなやつでもかかってきな!」



「フフフ、すがすがしい朝だ。久しぶりの外の空気。気分も上々。」
その人物は上から射してくる光に目を細めた。遺跡の地下から外が見える。何年ぶりだろう、こうして光を浴びるのは。
ニヤリと笑う。男とも女とも断定できないその美しい容姿が、露になる。ふんわりとした声。
アイゼン・クロイツ。その人物が作り上げた魔族の秘密結社の名称である。カイゼル。それがその人物の名である。
「待っているよ。我が優秀な部下達よ。」
カイゼルは必ず迎えに来るであろう、かつての部下達に思いを馳せるのであった。
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by konosetu | 2001-01-01 00:58 | 自作小説 | Comments(0)
黄色に輝く宝石が、星美遺跡神殿の上空に出現した。遂に遺跡に封印されていた、大いなる力が解放されたのだ。
刹那はその宝石を手に取る。その瞬間、刹那は光に包まれた。
宙を舞っていた9枚の惑星カードと彗星カードがその光の中に吸い込まれていく。
「あ、あれは!?」
素子が叫ぶ。光が晴れた。そこから現れたのは、虹色の髪、虹色の瞳、虹色の衣装、そして虹色にまぶしく輝く双翼であった。
「これが星美遺跡に伝わる“虹色の奇跡”なのか…」
景太郎が興奮した様子でつぶやく。しかし、誰にもその声は届いていない。みんな刹那のその神々(こうごう)しい姿に心を奪われている。
辺りにしばしの沈黙が流れた。



遺跡発掘キャンプ場。
「ねえ、あれはなんなの!?」
まき絵が神殿の上空に虹色に輝く物体を指差して問う。
「分からないわよ。でも…」
裕奈もその美しさに息を呑む。
「綺麗やな。」
亜子もウットリとした表情を見せる。
「これは記念写真を撮っておかないと。」
桜子が提案する。
「うん、撮ろう撮ろう。」
美砂も賛成する。
「よし、じゃあ朝倉…あれ、どこいった…?」
と円。
「ああ~ほんと、来てよかったわね、あやか。」
「ええ、そうですわね。」
「いったいなんなんだろう?」
千鶴もあやかも夏美も驚くばかりだ。
しかし、しのぶはこの美しさに目を奪われながらも、ひそかにこの状況を危惧していた。
「なんだかイヤな予感が…」
それは近い将来、少なからず的中するのであった。
「おい、しのぶ。今パララケルス島におる瀬田から連絡があったんやけど…」
みつねがやって来た。
「どうかしたんですか、キツネさん?」
「なんだか大変なことが起こったみたいなんです~。」
むつみにしては真剣な面持ちである。みつねが話し始める。
「それがな、変な宝石と変な化けモンが…」



「いくぞ、サン!今度こそ決着を着けてやる!」
レインボー刹那が意気込む。愛刀である夕凪にも虹色の光が渦巻いている。
「みなさんにも力を!!」
ネギの一声で、サンを除く全員に虹の力が宿る。
「これは…すごい!力が満ち溢れてくるでござる!」
楓が叫ぶ。
「よし、一気にいったろやないか!!」
小太郎がサンに攻撃を仕掛ける。
「なんのこれしきのことで…なっ、早い!?」
「犬神流風牙 連続斬り!!」
小太郎が影分身、否虹色の光でできた分身を繰り出し、サンに斬りつけまくる!さらには楓も虹の光分身でサンに襲い掛かる。
「覚悟でござる!」
「うおおおおおお!!」
とっさに受身を取ったサン。しかしそれは意味を成さなかった。
「馬蹄崩拳!!」
古菲も負けじと続く。
「小娘があぁぁぁ!!」
サンはなんとか結界を展開して防いだが、次の瞬間には結界が消滅してしまった。
「そこだ!うらああああああ!!」
「いったるでー!!」
真名もカオラも思いっきりぶっ放す!!
ズドドドドドドーン!!!
「むぐっ!」
サンはその攻撃にひるんだ。その隙は逃されない。
「浦島流 神龍牙・極!!」
可奈子も超必殺を繰り出す!
「ラブラブダブルパーンチ!!」
景太郎となるのダブルパンチも炸裂する!
「ぐおおおお!おのれー!ビッグバン…」
「ネギ先生!今です!」
のどかがネギに的確な指示を送る。
「ラス・テル・マ・スキルマギステル!風精召喚 剣を執る戦友!!迎え撃て!!」
「くそっ!フレイムボール!」
なんとかネギの攻撃を打ち消すサン。しかし…
「本命の攻撃はこっちよ!てええええええい!!」
アスナが剣形態になったハマノツルギでサンを斬りつける!
「あぎゃあああああ!!」
苦しみ悶えるサン。ダメ押しにと茶々丸の右ストレートと左アッパー、極めつけの回し蹴りがサンを捉える。
「くあっ…」
まるで人形のように宙に舞うサン。
「いくぞ、刹那!」
「はいっ、師範!」
刹那は飛んでサンの方へ向かい、素子は高く跳躍してサンの方へ向かう。
「神鳴流…」
素子が静かに、しかし迫力のこもった声で言う。
「決戦奥義…」
刹那が言葉を紡ぐ。
「滅殺…」
「斬空…」
「「斬魔閃!!!」」
刹那は横一閃、素子は下から上への逆袈裟で、サンの体を斬り裂いた!
「おぷっ…オオオオオオオ!!」
ズドォォォォォォォーン!!
大爆発が起こった。辺り一面を虹色の煙が覆った。
「ウオオオオオ!!!こうなればキサマらも道連れだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
それでもサンはその煙から脱出し、ネギ達に襲いかかって来る!体中にものすごい炎をまとわせている。自爆するつもりだ。
「ぼーや、トドメをさすぞ!」
「はい、マスター!!」
エヴァとネギが迫り来るサンの方に跳躍する。
「リク・ラク ラ・ラック ライラック!契約に従い我に従え氷の女王、とこしえのやみ、えいえんのひょうが!」
サンが氷づけになっていく。それでも勢いは止まらない。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル!来たれ虚空の雷薙ぎ払え!!」
ネギは渾身の力を叩きつける!
「雷の斧!!」
ズババババババババァァァァァァァァァァァァーン!!
「ごああああああああ!!」
「全ての命ある者に等しき死を 其は安らぎなり…おわるせかい!」
「くああああああああ!!わ、私が負けるはずは…」
サンはうめきながらもなおも言い続ける。
「お前達はとんでもないことをしたのだぞ。遺跡の封印を解かなければカイゼルは復活しなかったものを!私が世界を支配していれば、すべては安息の世になっていたものを!お前達は…すべては滅びるのだ、確実に!」
遂にサンにも限界が来た。
「エル族に栄光あれ!オオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
サンは砕け散り、消滅していった。しばしの間、辺りは沈黙が支配した。


「「「「「「ヤッター!!」」」」」」
みんなの歓声が辺りにこだました。
「ついに、ついにやりました!」
「やったわね、ネギ!」
「やったな、ネギ君。」
「よっしゃあ!!」
ネギもアスナもこのかも小太郎も…みんな飛び跳ねて喜ぶ。
「あ、あれは?」
可奈子の指差す方向、そこに1枚のカードがヒラヒラと落ちてきた。ネギがそれをうまくキャッチする。
「こ、これは…“Sun”のカード!?」
「恒星のカードだね。」
景太郎がカードを覗き込みながら言う。
「これで、本当にすべてのカードが揃ったというわけだな。」
真名が言った。
「まあ、なにはともあれ、これで全部終わったちゅうわけや。」
小太郎がニヤニヤ笑いながら言う。
「うん、いや~ここまで長かったね~。」
和美がしみじみと頷く。
「あなたはほとんど何もしていないのでは…」
夕映がツッコミを入れる。


みんながワイワイ騒いでいる中、素子とエヴァだけは浮かない表情をしている。
「本当にこれで終わったというのか…。しかしなにかが引っかかる…」
素子が顎に手を当てて、思考を巡らせる。
「そうだな。あれだけの力が眠っていた遺跡…。あの力は何かを封印していたとすると…」
エヴァは茶々丸に質問する。
「おい茶々丸、さっき南の方角から感じた、膨大な力の正体は分かったか?」
「はい、マスター。今桜咲さんが持っていらっしゃる宝石と同種類のものです。場所はパララケルス島の辺りです。」
「で、その宝石は今どうなっている?」
茶々丸は少しの間調べていたが、やがてエヴァに告げる。
「反応が消えました。なぜか忽然と。別の地域に現れたりもしていない模様です。」
「そうか…。誰かが、持ち去ったとは考えにくいか。ならば消滅したか…」
「それと、もう1つ。かなり邪悪な力を観測しました。それも今では感じられません。宝石の力が解放されたと同時に出現し、やがて消えました。」
考えにふけかけたエヴァに茶々丸が付け加えた。エヴァはふと閃く。
「ああ、やはりそうか。このシチュエーション今の状況に似ている…」
「!?何かが…来る!」
素子の叫び声にみんなが振り返った。
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by konosetu | 2001-01-01 00:57 | 自作小説 | Comments(0)
「みんなシェルターに非難完了したね。」
しのぶがみんなを見渡す。キャンプにいたメンバーは、全員揃っているようだ。
「大丈夫や。しかしなぁ、みんなになんて説明するんや?本当のことを教えるんはマズイんやろ。」
みつねがしのぶに尋ねる。
「何とか誤魔化してください。キツネさん。」
「あら、そういえば、浦島さんとなるさんは?」
むつみの問いにしのぶが答える。
「ああ、先輩達はまた敵さんの所へ戻られました。」
「なんやまたかいな。まあ、発掘を邪魔されてヤケになっとんやな。」
しのぶはみつねの分析に異を唱える。
「いいえ、きっと純粋に人を助けたいからだと思いますよ。」
しのぶは2人の無事を心から祈るのであった。



「契約執行90秒間!!ネギの従者、神楽坂明日菜!!」
アスナにネギの魔力が宿る!
「てえええええい!!」
剣形態になったハマノツルギでサンを攻撃するアスナ。しかし、弾かれる。
空から今にも究極の炎の技が落ちてきそうな状況で、一同は必死にサンの詠唱を食い止めようとしている。
しかし、サンの張った結界は思いの他強力で、一向に破れる気配がない。さらに大勢のザコを呼んで、邪魔してくる。
「戦いの歌!」
ネギはあらゆる魔法をどんどん駆使していくが、戦況はなかなか好転しない。そのとき、のどかと夕映がザコに襲われる。
「きゃあー!!」
「サギタ・マギカ魔法の射手連弾雷の17矢!!カク打頂肘!!」
ザコを吹き飛ばすネギ。さらに…
「…………戒めの風矢!!」
敵を捕縛し、
「ラス・テル マ・スキル マギステル!吹け一陣の風…風花風塵乱舞!!」
ザコ集団をかく乱させ、
「風の精霊11人………!!」
ザコを壊滅させた。起こった爆発にネギは怯むことなく、すぐさまサンの方に向き直り、攻撃を仕掛ける。
「来たれ雷精、風の精。雷を纏いて吹きすさべ、南洋の嵐…」
エヴァも負けじと加勢する。
「来たれ氷精、闇の精。闇を従え吹雪け、常夜の氷雪…」
「雷の暴風!!」
「闇の吹雪!!」

ズドドドドドドドドドーン!!

辺りに爆音が鳴り響く!
しかし、エヴァは煙が収まる前から、今の攻撃が無駄骨に終わったことを知る。
「くそ!サン・エル・サラマンドラめが!いまいましい!」
さすがのエヴァにも焦りの色が見え始める。間もなくサンの詠唱が終わる。
そうなれば、この辺り一帯は確実に焦土と化すであろう。
「ハハハ、無駄だ、無駄だー!ジェスティル・ファービュラリシア、テネブラリス・イルヴィツアー…」
「この、この、このー!!」
力任せに小太郎がサンの結界を叩く。全く持って無意味である。古菲の武術も真名の弾丸も楓の忍術も、すべて通用しない。
「斬魔剣弐の太刀!!」
素子が破魔の剣技を使う。しかし、これさえも意味を成さない。
「結界破壊弾発射!」
「光化学ブラックホールバスターや!」
茶々丸が大きなキャノンで攻撃し、カオラも必殺武器を見舞うが、やはり無駄であった。
「ここまででしょうか…」
「さすがに…これは…」
夕映とカモが弱音を吐く。
「最後まで諦めてはダメです!きっと何かいい手があるはずですよ。」
ネギがみなを励ます。
「ぼーやの言う通りだ!ここで、負ければすべてが終わってしまうのだぞ!」
エヴァも皆に活を入れる。
「お、あれは!?」
和美が神殿の屋上へ駆け上がってくる2つの人影に気づく。
「カードだよ!この遺跡の産物、太陽系カードを使うんだよ!」
景太郎となるが駆けつけてくる。
「お兄ちゃん!」
「なる先輩!」
可奈子と素子が2人の方を向く。他の一同も振り向く。
「カードって、僕の持っている合体衛星カードと…」
「私の惑星カードのことですか!?」
ネギと刹那が口々に言う。
「そうよ、敵に狙われていた4人で使うのよ!太陽の祭壇で!」
なるが言う。その言葉に刹那はピンときた。
「そうか、分かりました!ネギ先生、このちゃん、アスナさん、急いでついて来て下さい!みなさん援護をお願いします!」
刹那はこのかの手を引き、ネギとアスナもそれに続く。そして、サンの背後にある巨大な祭壇へと進む。
「太陽の神殿の頂上にある超巨大な祭壇。ここでカードの力を解放すれば…」
景太郎は誰ともなしに言う。
「星美遺跡の封印が解ける!解き放たれた力を駆使すれば、いくらサンでもひとたまりもないはずだよ。」

そうこうしている内に、ネギ達はサンの猛攻をくぐり抜け、祭壇へとたどり着いた。
ネギは合体衛星カードを、刹那は9枚の惑星カードと彗星カードをそれぞれ掲げる。すると、カードが宙を舞った。
「念じるんだ。これで遺跡の封印は解かれる!」
景太郎の声が響く。すでに4人は集中力を研ぎ澄ませている。ネギとこのかがありったけの魔力を結集させる。
すさまじい力が飛び交う。その力が、なんと上空の渦をかき消してしまった。サンの究極の魔法が不発に終わった。
「バカな!ぐぐ…おのれー!やめろー!」
ヤケになったサンが、火の矢を無数に発射する。
「近づけさせないんだからー!!」
アスナが身を挺して立ちふさがる。爆風が起こり、アスナは転倒する。
しかし、彼女のマジックキャンセラーが功を奏して、アスナも他の3人も祭壇もほとんど無傷だ。

そのとき、このかの体がまぶしく光る。ネギの力も最大限に解放され、合体衛星カードが閃光を放つ。
閃光は四散し、激しく弾ける。やがて、神殿の地下へと光は吸い込まれていき、そして…
「黄色い宝石!!」
景太郎が興奮して叫んだ。他のみなも目を細めつつも、驚愕している。
「なんて魔力を秘めた宝石だ。まるでこの世の物ではないような…」
エヴァでさえもこの宝石の力が驚きに値するようだ。虹の7色の内の1つ、黄色。これこそがまさに、この遺跡に眠っていた秘宝であった。



パララケルス島。海辺。
「ん?サラ、それはなんだい?」
瀬田はサラの持っているオレンジ色――これも虹の色の1つだ――の宝石に気づいて言った。
「へへ、どう、パパ。逃げるときのどさくさに紛れて拾ったんだ。」
「ほう、こいつはお手柄だな。」
はるかがサラを褒める。
「おお~これはすごい。ん?どうしたんだい、ニャモちゃん。」
見るとニャモは体を震えさせている。
「セタ、コレ、キケン。イマスグ、ステテ。」
「え?」
瀬田は困惑の表情を浮かべる。
「なに言ってんだよ、ニャモ。せっかく苦労して手に入れたのに!」
サラが憤慨するが、瀬田が押し止める。
「ニャモちゃんの怖がり片は尋常じゃない。これは彼女のカンを信じる方がよさそうだ。」
そう言うと、瀬田は宝石を手に取ると、海へと投げ捨てた。
「ああー!あ~あ、もったいない…」
サラががっかりしたように言う。
「まあ、そう言うなって。これで本当に危なかったら、ニャモに感謝しなくちゃな。」
はるかがサラをなだめる。
「ハハハ、そうだね…って、あれはなんだ!?」
瀬田が上空から何かが降って来たのに気づく。

ズボーン!!

何かが勢いよく海へとダイブしていった。ちょうど宝石が落ちた辺りだ。さほど距離もなかったので、大波が起こる。
「あわわわわわ…」
瀬田、はるか、サラ、ニャモ、その他海岸近くにいた何人かは、大慌てで退散した。


水の中。
「ムシシシ…ダグバ様直々の指令だ。必ず宝石を回収して手柄を立ててやる。」
魚人タイプの怪人が空に開いた異世界ゲートを通って、ここパララケルスへとやって来たのだ。十数人の部下を連れている。
セリフ通り、こいつはダグバの部下であり、指令を受けて宝石の回収をするつもりだ。
「させっか!!」
そこへ零菜が颯爽と現れる。宝石を渡すまいと、夢蜘蛛へと変身する。水中タイプで尾びれや背びれがある。
「お前か。ダグバ様のお気に入りとは。ムシシシ、お前も連れて行ってやるよ。」
「うるさーい!!」
零菜のものすごいスピードのアッパーが怪人を捕らえる。
「あーれー!!」
怪人は海上から吹っ飛ばされ、上空で大爆発した。部下は恐れをなして退却…する暇もなく、零菜の餌食となった。
魚人達の残骸には目もくれず、零菜はオレンジ色に輝く宝石を回収する。
「ふ~…とてつもない、ものすごい魔力だ。こりゃ、ダグバみたいな化け物を封印できるわけだ。」
零菜は陸を目指しながらつぶやく。
「さて…そろそろウェイアードに…シンフォニアへ帰るとするか。」


瀬田達は、大波の後、上空で起きた爆発に唖然としていた。
「ハハハ、やっぱニャモの言う通りにしておいてよかったよ。」
サラがニャモの方を向きながら言う。
「やっぱり僕らって、とんでもない物を掘り出しちゃったみたいだね。」
さすがの瀬田も堪えたようだ。
「ああ、そうだな…」
はるかも呆然とした様子で、まだ上空に残る煙を眺めている。

ここ、パララケルスにも朝がやって来た。いつもと変らぬ朝が。
それは他でもない、世羅零菜の尽力のおかげだということを知っているのは、ウェイアードにいる者達だけだった。
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by konosetu | 2001-01-01 00:56 | 自作小説 | Comments(0)
爆炎の中から零菜が突進してくる。クレイモアがまさにダグバを捉える瞬間だった。ところが…
ガシッ!!
「なにっ、新手か!?」
クレイモアと剣が交差する。今零菜の目の前には、冷酷な目つきをした少年がいる。キッと零菜を睨みつけている。
静かな気迫を込めて零菜も雷雪を睨み返す。刃同士を弾き合い、2人は後ろへ跳躍し、距離を空ける。
「おお、おめえ黒竜雷雪じゃねえかー。久しぶりだな。ヒッヒッヒ!」
「お前も相変わらずだな、ダグバ。」
黒竜雷雪と呼ばれた少年は情のこもっていない口調で応える。
「黒竜雷雪だと!?あの冷酷無慈悲の暗殺者か。」
零菜がウェイアードでは有名な殺し屋の名を思い出す。
「話は後だ。お前を迎えに来た。俺と来い。」
黒竜雷雪と呼ばれた少年は振り向かずに、背後にいるダグバに冷え切った口調で言う。
「ヘン、雇われ傭兵の分際で俺に指図すんな。古い友人のよしみでタメ口は許すけどよぉ。」
黒竜雷雪はディバイン・クルセイダーズの正式なメンバーではない。腕を買われ、幹部クラスの者に雇われているのだ。
巨大組織ディバイン・クルセイダーズの総帥である、ダグバとは古くからの知り合いだ。
「分かった。好きにしろ。しかし、俺の任務はお前を連れ帰ることだ。お前の気の済むまで待たせてもらう。」
そう言うと、雷雪はダグバの後方へと下がった。傍観することにしたらしい。

自分が会話に参加する余地もなかった零菜は少しポカンとしている。
「なんだ?アイツ…。まあ、狙いはダグバ1人。邪魔しないならほっとくと。」
再び迎撃体勢になる零菜。眼前ではダグバが未だにニヤついている。ベロリと舌なめずりをする。
「ククク…そろそろケリを着けようか。ハァァァァァ…」
「ムッ!」
突然ダグバの気力が、かなりの実力者である零菜ですら驚くほど一気に上昇する。
「なんなんだよ、このバカデカイでたらめな力は!?」
さすがの零菜もひるむ。ダグバの目が赤い光を放つ。ダグバの筋肉質なボディが、さらに隆々としてくる。
「オオオオオオ…だあぁぁぁぁっ!!!」
ダグバは一気に零菜との間合いを詰める。
「ウゴッ!…オ、オ…。ぐあっ!」
腹に固く重いパンチをくらい、さらに組んだ手がハンマーのごとく頭上に振り下ろされる。
ズドォォォォーン!!!
もろに顔面から地面に激突する零菜。それでもなんとか起き上がろうとする。しかし、そこにダグバが強力な蹴りを入れ、再び地面に沈む。
「く…は…あ…」
うめき声を上げる零菜に、ダグバは容赦なくグリグリと足で零菜の頭を踏みつける。
「ククク、どうだよ、女。俺の強さが分かったか?はっきり言って俺は、まだ本気の半分の力も出してないんだぜ。」
ダグバは零菜の青いショートヘアを背後から逆手で鷲づかみにすると、持ち上げて自分の顔を零菜の顔に近づけて覗き込む。ニタニタ笑って…
「へへ、やっぱりなかなかの美人じゃねぇか。いいか、今からお前は俺のモンだ。ククク…」
ダグバは零菜の左頬を舐める。
「や、やめ…きたねぇ…」
かすれた声で抵抗の意を見せる零菜。しかし、体を動かせない。
「へへへ、フン!」
ダグバは零菜を仰向けにする。舌なめずりしながら零菜の体をしげしげと見つめる。
「さあて、楽しませてもらおうか…。お前のすべてを俺がもらう。かわいがってやるぜぇ。すぐに気持ちよくなるからよぉ。俺と一緒に快楽の世界へ行こうぜぇ。」
ダグバが手を一振りすると、零菜の着衣がすべて切られ、塵と化し消滅した。よだれが零菜の体に垂れていく。
「ハァハァハァハァ…うまそうだ。いただくぜぇ…」
自分のよだれが零菜に触れたとき、ダグバの興奮は頂点に達した。零菜の肉付きのよい身体に手を伸ばす。

そのときだった。不意に零菜の目がカッと見開かれた。その目には猛烈な殺気が込められている。
「触るな…このゲス野郎がー!」
その瞬間、零菜が信じられないような怪力で、ダグバの腕をがっしりとつかんだ。
「うがああああ!?!?」
ボキボキと骨が砕ける音がしてダグバが悲鳴を上げる。
「つああああああ!!!」
続けて零菜の膝蹴りが、ダグバの腹に入る。
「ごぶっ!?」
ダグバの目が飛び出そうになる。零菜は間を空けず、回し蹴りをダグバの頭部に見舞う。
ズガァァァーン!!!
ダグバは上空30メートルほど飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「ぐほっ…なんだ、この女…なっ!?」
ダグバは目を見張った。目の前にいるのはさっきの美女ではなく、1体の異形の者であった。
茶色い皮膚、エイリアンのような長い顔、頭に数本の角。世羅零菜が変身した姿である。
ウェイアードでも、このマホラワールドでも最強の魔物の一種である、人呼んで――夢蜘蛛。
夢蜘蛛化した零菜の低い声が響く。めいっぱい怒気と殺気が込められた声。
「よくも私をコケにしてくれたね。このお返しは…イタイよ!」
その瞬間、零菜の姿が消えた…ように見えた。
「チッ、保護色か!」
周りの風景に溶け込ませるカメレオンの能力。ダグバは彼女のこの能力を瞬時に見破った。そうと分かれば…
「チェストォ!!」
…応戦できなかった。ダグバは零菜の見えない一撃を、場所は察知したものの、あまりの速さのために防ぎきれなかった。
「どおおおおおお!?」
宙に投げ出されるダグバ。零菜も跳び上がって宙で連続に殴りつける!
バキッ、ズガッ、ベキッ、ボキッ、ゴキッ、ドウッ…ヒュウウウウ……ズガァァァァーン!!!!!
粉塵が辺りを覆った。約20秒後、ようやく砂埃が晴れ、ダグバの姿が露になった。
「フッ、どうした。私はまだ半分どころか10分の1のパワーも使ってないぞ。」
先ほどのダグバのセリフをそっくり返してやる。
「フ、フフフ…アハハハハハハハハ!!」
零菜の予想に反して、ダグバは笑い出した。
「いいねぇ、その強さ。惚れ惚れするねぇ。ますますお前が欲しくなったぜ。」
「ケッ、まだ言うか…」
ダグバは、醜い異形の姿になってもなお零菜を欲している。

「ダグバよ、もうその辺にしておけ。腕まで折られてまだやる気か。」
それまで沈黙を守っていた黒竜雷雪が口を開いた。
「あん?」
ダグバは雷雪の方を見やった。雷雪は厳しい表情でダグバを見据えている。ダグバにさえ、有無を言わせぬ表情。
今のままではダグバに勝ち目がない、そう考えたのだろう。
「そろそろ行くぞ。」
ダグバは肩をすくめ、行きかけたが、思い出したように零菜の方に目を向ける。
「ククク、そういやまだ名前を聞いていなかったな。」
これを聞いて、雷雪が「ほほう」と目を細めた。女をモノ扱いしているダグバが、相手の名前を尋ねるなんて珍しいからだ。
「あんまり名乗りたくはないが…まあいいだろう。零菜、世羅零菜だ。」
「零菜か。お前が気に入った。俺のモンに…いや、側近になれ。」
「はぁ?」
突然の誘いに零菜は顔をしかめた。
「何の冗談だ?」
「冗談などではない。お前を俺の側近に…、いや…俺の愛人に…」
言いかけたとき、いつの間にか近くにいた雷雪が、ダグバの肩に手を乗せた。
「もういいかげんに行くぞ。我らの迎えが来た。これ以上ここにいるのは、さすがにマズイ。」
雷雪はダグバを半ば強制的に引っ張っていく。
「フ、世羅零菜。また会おう。お前の胸の青いバラの刺青…いつかあれを俺の色に染めてみせる。」
ダグバは最後に言い残すと、ゲートをくぐって行った。
「逃がすか!このっ…」
駆け寄ろうとした零菜に、雷雪の放った電撃が飛んでくる。
ドン!!
小規模の衝撃だったが、零菜の目潰しには十分だった。
「クソ…ここまで追い詰めて…」
ゲートが閉じたのを確認した。人間体に戻った零菜は、歯軋りし、しこたま地面を殴りつけたのだった。
「チクショオオオオオオオオオ!!!!!」
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by konosetu | 2001-01-01 00:55 | 自作小説 | Comments(0)
「オラオラオラ!!」
零菜の魔法具『ニューナンブ警察拳銃』が火を吹く。
普段は実弾専用だが、魔力を込めることのよって、魔法銃にも化ける優れものだ。
「チッ!どういうことだ?俺のディバインフォースが通用しねぇ…」
ディバインフォースとはディバイン・クルセイダーズの能力者特有の力で、己の体内で活性化し、様々な効果を生むという、一種の魔法のようなものだ。
今、ダグバが使っているのは、もっとも分かりやすい効果である、破壊の力。
この力を、殺した盗賊達から奪った剣や銃に込めて、零菜を攻撃しているのだ。
しかし、長期に渡って封印されていたためか、体がなまっているのか、零菜にはものの見事にさばかれていた。
冷静な判断で戦闘に挑むのが得意な零菜にとって、いたずらに力を振りかざすだけのダグバは、分のよい相手だ。
「やはり俺専用の剣がほしいところだな。それならもっと力を発揮できるんだがよ。」
「ボヤいたってないものはないんだろ?あきらめるんだな、坊や。」
零菜は一気に愛銃に魔力を結集する。
「バーストイグナイト!!」
ズガァァァァァーン!!!!!
大爆発が起こり、辺りは粉塵に包まれた。数十秒後の後、砂埃が晴れていく。零菜は勝利を確信している。
「(確かにヤツはまだ生きちゃあいるようだが、相当の深手を負ったはず…。仕留めるのは造作もない!)」
ダグバの姿が見えた。立っている。ダグバの服はすべて破れていた。しかし、肝心の本体はほとんど無傷であった。
「ふ~気持ちいいぜ。へへへっ。」
「ケッ、思ったよりも頑丈なんだな。その上、立派なイチモツをお持ちで。」
零菜は否が応でも目に入る、ダグバの露になったソレに苦笑する。
「へへへ、久しぶりだからよ、かなり興奮してきたぜ。お前のそのデカイチチを見たくてよ…。お前を俺のモンにして犯したくってよぉぉぉ!」
「チッ、この変態野郎が!」
ダグバの下劣な様子にさすがの零菜も露骨に嫌悪感を表す。

ダグバは目覚めたことの悦びと、セクシーな美女の出現に興奮しきっているため、この有様なのである。
「お前のチチに俺のモノを挟み込んで、揉んで、そんで、○○してやって、××して、○○をたっぷりぶっかけてやって、そんでもって××を(ピー)して、舐めまくって、そして最後にはお前のアレ中に(ピー)して…」
お聞き苦しい限りで…
「アホか!そんな18禁用語ほざいてばっかりいると、連載中止になっちまうだろうが!」
「ヒヒヒ、だからそのシーンだけカットすりゃあ…」
「もう付き合っていられん。さっさと終わらせるよ!」
下品なやり取りはこのくらいにして、2人は戦闘を再開した。

零菜はクレイモアーと呼ばれる、190センチくらいの巨大な剣を振りかざす。剣にはすでに魔力が込められている。
一方、ダグバは適当な武器が手元にないため、素手…ではなく、先ほど述べたダークフォースを剣状に固めた物を構えている。
「はあっ!!」
零菜が横一閃、剣を振った。ヒラリとダグバは身をよじってこれをかわす。
後ろの遺跡の壁が真二つになり、(もっともすでに遺跡自体がボロボロであるのだが)崩れ落ちる。
これは零菜の計算の内。すぐさまダグバの方へ向き直ると、今度は剣を突いてしかける。
「へぇ、射撃だけではなく、剣もうめぇんだな。」
攻撃を後方へジャンプしてかわしながら、ダグバは言う。
「ケッ、ちょこまかと!これならどうだ!」
こういう調子で、攻防が10分ほど過ぎた。ダグバの方がほぼ防戦一方で、零菜が押しているのは明らかだ。
「ハァハァ…へへへ、いいねぇ、ますますお前が欲しくなってきたよ。」
ダグバの体は汗ばんでいる。それから…
「ますます興奮してきたぜぇ。お前のユッサユッサと揺れる、チチを見ているだけで、イっちまいそうだぜ。フッフッフ…」
「ああ、すぐにイかせてやるよ。地獄へな!」
零菜は牽制に引き金を搾る。避けたダグバに剣を振りかざそうと、接近する。
分が悪いと判断したダグバは、身を翻し、さらに一気に後退する。そこに零菜が炎の弾丸を見舞う。
「チッ!」
ダグバは、とっさに結界を張って何とか凌ぐ。眼前で大爆発が起こる。
「かかったね!」
爆炎の中から零菜が突進してくる。クレイモアがまさにダグバを捉える瞬間だった。ところが…
ガシッ!!
「なにっ、新手か!?」
クレイモアと剣が交差する。今零菜の目の前には、冷酷な目つきをした少年がいる。キッと零菜を睨みつけている。
刃同士が弾き合う。2人は後ろへ跳躍し、距離を空ける
「おお、おめえ黒竜雷雪じゃねえかー。久しぶりだな。ヒッヒッヒ!」
ダグバが不敵に笑った。
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by konosetu | 2001-01-01 00:54 | 自作小説 | Comments(0)
「どうだ、サン・エル・サラマンドラ。お前にもはや勝ち目はない。この勢いはもはやキサマごときでは止められんぞ。」
エヴァがサンに紛れもないこの状況を突きつける。
「ぐぐぐ…。フフフ…、ハハハハハハ!!かくなる上は…こうだー!!」
サンが一気に力をより集めていく。いつしかサンの作った異空間は消滅し、一同がいる場所は太陽の神殿の頂上となっていた。
「ふはははははは!!この程度で私を倒したつもりかね?まことに残念だよ!」
サンは一見、冷静な態度であるが額には怒りのマークがいくつも浮かび上がっている。
「残念だよ…ネギ・スプリングフィールド君。せっかくいいパートナーを見つけたと思ったのだがね。」
サンが両手を掲げた。
「マズイ!あの構えは!」
エヴァが声を上げたとき、不気味な詠唱が聞こえてきた。
「…ガ・ゲル・ガゲガゲル・エルガゲル…」
「火の最上級魔法、ビッグバン・サラマンドラ!?しかも…かなりでかい!!」
麻帆良学園をすっぽりと覆ってしまうほどの巨大な渦が上空に出現した。
「あ、あれが落ちたらどうなるのエヴァちゃん?」
アスナの質問にエヴァは、
「言わずとも想像がつくだろう!この辺り一帯が瞬時に焦土と化すぞ!止めろ、ヤツの詠唱を!」
慌ててサンを止めようと攻撃する一同。が、強力な障壁が張られているのか、全くビクともしない。
「消え失せろー!!みんな全部消えてしまえー!!跡地に私の世界を作ってやるよ!ワーハッハッハッハッハー!!」
渦から稲妻が光り、周囲の気温が一気に上昇する。間もなく、巨大な炎の塊が地上に放たれるであろう。
「カリドゥムサギッタ・ギガントエルクロス・サギッタマギッカ・ベレクロウクルス…」
サンの不気味な詠唱が辺り一帯に響き渡っていった。



「な、なんですの、アレは!?」
遺跡発掘所キャンプにいる、あやかが驚きの声を上げた。朝一番に目が覚めて、ふと空を見上げた結果だ。
他のメンバーも何事かと、まだ眠い目を擦りつつ、テントから這い出してきた。
「ひょええええ!アレは!?」
叫んだのは夏美だ。それはサンの発生させた超巨大な渦であった。
「はわわわわ…なんなの、アレは?」
まだ眠そうだったまき絵も、一気に目を覚ましたようだ。
「知らんわ。なんやねん、いったい!?」
亜子も唖然としている。
「さあ、なんでしょう…」
「なんだか、イヤな感じだね。」
裕奈も桜子も呆然としている。
「あらあら、これは一大事ですねぇ~」
「乙姫さんがおっしゃると、全然大事には感じられませんが…」
千鶴がむつみの様子に苦笑する。
「それに…なんだか暑くない?」
円が言った。
「そうね。いくら真夏とはいっても、こんな朝からこの暑さは尋常じゃないわよね。」
美砂が賛同する。
「ただの異常気象ではない、か。」
アキラがつぶやく。

「あわわ…これはもしかして…」
しのぶが恐れおののく。
「たぶん…そのまさかやな…」
さすがのみつねもいつになく深刻そうな表情になる。
「おーい!しのぶちゃん、大丈夫かーい!」
その時、景太郎となるが戻って来た。
「浦島先輩、なる先輩、あれはいったい…?」
「相当マズイことになっちゃったみたい。」
なるが息を切らしながら説明しようとする。
「う~ん。確かに素子ちゃんが、ここのキャンプの周囲に展開している結界は強力だけど、果たしてあの攻撃に耐えられるかどうか…」
景太郎も深刻そうに言う。
「でも、今更逃げようとしても…」
「そうね、たぶんあの攻撃の有効範囲外に逃げるのはもう無理でしょうね。」
なるが言う。
「そ、そんなー。そ、そうだ、カオラの超強力シェルター“メカタマカプセル”を使えば…」
しのぶが提案する。景太郎が答える。
「何もしないよりはましか。よし、用意を急ごう、みんな!」
「「はい!」」
気温がさらに上昇していく。運命の歯車は絶え間なく回り続けるのだった。



「セタ、ハルカ、サラ、ダイジョウブ?」
「なんとかね。ありがとうニャモちゃん。」
パララケルス島の住人、ニャモ・ナーモに介抱されて、3人は一息ついていた。
ニャモはしのぶの色黒バージョンみたいな娘だ。ひなた荘の住人達とも面識がある。
「それにしてもなんなんだよ、あの化け物は?」
サラが彼女らしくもなく、恐怖に震えている。
「さあな。とにかくこれで分かったな。あの変な医者を名乗っていたやつらが言っていたことの意味が。」
はるかが言う。
「ふむ、どうやら僕達は、とんでもないものを甦らせてしまったようだね。」
瀬田が困ったような顔をしながら言う。
「どうすんだよ、パパ?」
「さあ、どうしようか…」
サラの質問に瀬田は返す言葉が見つからなかった。



「…で、女よぅ。俺に何の用だ、え?」
パララケルス島の遺跡にて復活を遂げた、ディバイン・クルセイダーズのトップ、ン・ダグバ・ゼバ。
彼は、突如異世界のゲートをくぐって現れた、1人の美女と対峙している。
ちなみにダグバは今、殺した盗掘者の衣服を奪って着ている。
「なーに、アンタを再び眠らせてやろうと思ってねぇ。それも前より深くて永遠のね。」
美女は、その鋭い眼光を相手に向けながら、冷静に話す。その眼光には、相手を引き込んでしまいそうな不思議な魅力を感じられる。
ダグバは、その美女の肉付きのいい体を、舐め回すように眺める。
美女は青髪のショートヘア、165cmくらいの身長で、タンクトップの間から青いバラの刺青が覗いている。
「うひぇひぇひぇ、お前かなりできるな。どうだ、俺の女(モノ)にならねぇか?」
露骨に下品に笑うダグバにも、彼女はどこ吹く風だ。
「そうだねぇ。アンタが地獄に墜ちてから1億年経ったら、考えてやってもいいかナァ。たぶん答えは『No』だけど。」
美女は――その名も世羅 零菜(せられいな)――は、静かな笑みを浮かべ答える。
「まあ、そう言わずに今すぐなれよ。色々サービスしてやるからよ。クックック…」
「じゃあ、その前に…私を倒してみな。」
「いいだろう、久しぶりに暴れてやるぜ。復活して早々、いい体の女とやり合えるなんて、うれしいねぇ。」
「気色ワルゥ…。とっとと終わらせてやるぜ。」

ここ、パララケルス島でも壮絶な戦いの火蓋が切って落とされた。
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by konosetu | 2001-01-01 00:53 | 自作小説 | Comments(0)
ネギが杖を構える。のどか達に向けて…
「風花 武将解除…」
ネギは非情にも、のどか達に攻撃魔法を放った。
「やめなさいよ、このバカネギィィィィィー!!!!!」
アスナの跳び蹴りがネギの右肩に炸裂する。
「あぴれぽれー!!」
クルクルと回転しながら、飛ばされていくネギ。のどか達に放った攻撃魔法はギリギリで逸れた。
「ハァハァ…このバカ!なんで、どうして敵に加担したりするのよ、ネギ。あんたと私達の絆って、こんな程度のことでダメになってしまうの!?」
いつしかアスナの目からは、大粒の涙が零れ落ちていた。
「操られているのは分かってるけど。でも、それくらいあんたならどうにでもできるんじゃないの!ネギー!」
アスナはネギに飛び掛っていく。右ストレートがネギを捕らえようとした時、サンの放った矢がアスナの腕に突き刺さった。
アスナには魔法が効かないと知っていたので、本物の矢を射たのだ。
「うっ、あああ…」
矢が刺さった衝撃に耐え切れず、転倒するアスナ。サンはアスナに刺さった矢を消滅させた。腕からおびただしい量の血が流れ出る。
「アスナー!!」
このかが青い顔をして叫ぶ。ネギがアスナの傍までやって来て、冷徹な表情で彼女を見下ろす。
「アスナさん、もう降伏してください。そうすればみんなが助かるんですから。…ねっ!」
ネギがアスナの左脚を思い切り踏みつけた。
「ああああああ!!」
激痛に悶えるアスナ。踏まれた脚は不自然な方向へ曲がってしまっている。
「ね、これまでなんですよ。さあ、降参してください。」
ネギはしゃがみ込むと、アスナの右側のツインテールを鷲づかみにし、顔を近づける。
「さあ…」
「ネギ君、もう止めて、ほんまにやめてぇな!」
このかが泣き叫ぶ。のどかは座り込んで手で顔を覆ってしまっている。涙が零れ落ちていく。
夕映もうつむいてガタガタ震えている。不意に和美が駆け出す。その肩にはカモが。
「もう見てられない!ネギ先生!」
「アニキ!」
しかし、無常にもサンの火の弾が飛んでくる。和美の足元に着弾する。
ズドーン!!
「うわあああっ!」
和美とカモは吹き飛ばされ、床に叩きつけられた。
「私のパートナーに変なことを吹き込まないでほしいね。ネギ君の“元”生徒のみなさん。」
サンが不敵な笑みを浮かべる。その瞬間、サンは一気に間合いを詰めて、夕映の腹にパンチを入れた。
「…っ!?」
声を上げることもできずに、崩れ落ちる夕映。
続けてサンはのどかに手刀を入れる。のどかの意識はそこで途絶える。
そして、遂にサンはこのかに手を出した。炎の渦で、このかを縛り付ける。そして宙に浮かせる。
「さて、君にも私のパートナーになってもらうとしようか、近衛木乃香。ククク…」
サンは不気味な表情でこのかを見つめる。
「ああ…い、いやや…あ、ああ…」
このかは体をよじらせようとするが、全く動かせない。
刹那に助けを求めようと彼女の方を見る。倒れたままピクリとも動かない。
楓も、真名も、古菲も、小太郎も、のどかも、そして夕映や和美、カモさえも、もはや行動不能だった。
「さあ、仮ではなく、本契約だよ。ネギ君の時は別の方法を取ったがね。では、誓いのキスを。」

そんなこのかの様子をアスナは見る余力すら残していなかった。
「ネ…ギ…私はアンタを信じて…いるから…。私達は…私はあんたのこと…」
アスナは最後の力を振り絞ると、残った右脚を使って起き上がり、なんとか動かせる左腕で、ネギの体を抱き締めた。
しかし、ネギはそれを払い除けようとする。それでもアスナは信念を持ってネギを抱き締め続ける。
「ネギのこと…好き…だ…から…」
「僕も好きですよ。だから、もう傷つけたくない。降伏してください。」
それでもネギは、依然としてサンの支配下にある。
「もう一度だけいいます。降伏してくださ…」
ネギの唇が塞がれた。アスナの唇によって。
「………」
ネギは沈黙した。アスナの涙が流れ落ちる。そしてネギの杖へと…。

「ネギ君、何をしているんだい!早くアスナを私の方に差し出しなさい。」
その様子に気づいたサンが、ネギに向かって怒鳴る。
ネギはアスナの唇から離れ、サンに言った。しかしなんと、その言葉はサンの期待を裏切るものだった。
「…嫌です。」
「なんだって!?」
不意にネギの腕がアスナの背に回される。優しく、しっかりと抱き寄せる。
「ネギ…」
その変化を確かにアスナは感じた。
ネギの心の中にうずいていた、邪悪でドロドロしたものが、温かく柔らかなものになっていくのを。
その瞬間から、アスナの涙はうれし涙へと変わった。
「バ、バカな!契約が解消されたというのか!?」
サンが驚愕の表情を浮かべる。
「そういうことです。僕は麻帆良学園の教師であり、そして…」
ネギはアスナを優しくそっと横たえながらサンを睨みつける。
「みなさんのお友達です!」
「ネギ君、君はそのお友達を傷つけたのだよ。この有様を見たまえ。」
サンは新たな手を打った。ネギが自分の生徒達を傷つけたことに絶望し、戦意を失うのを狙っている。
そして、今のセリフを言ったのだった。しかし、サンの思惑はまたしても破られることになった。

「やめておけ。もうぼーやの心を支配するのはムリだ。」
「マスター!」
エヴァンジェリン一家が、ゲートから登場した。
「ぬぬ、ハイデイライトウォーカー!?」
サンが敵意をむき出しにする。
「麻帆良に数千の兵士を放つとは大胆だったな。だが、所詮はザコだ。時間はかかったが、すべて敷地内に侵入する前に壊滅させたよ。」
エヴァが自慢げに言う。
「フン、さすがだな。しかし、私は倒せん。決してな。」
「それはどうかな?こちらには遺跡の力が込められたカードが、すべて揃っているんだ。使い手もいる。このぼーやがな。」
エヴァがネギに視線を送る。
「ぼ、僕が…!?」
「そうだ!衛星のカードをすべて集めろ。念じればできるはずだ!」
「は、はい!」
ネギが手をかざすと、みなの懐にあった衛星カードが1箇所に集まってきた。
ネギの掌で1つになったカードは、銀河を現すデザインになっている。黒い空間にキラキラと星の光が輝いている。
「これが衛星のカードの真の姿…」
ネギはまじまじとカードを見つめる。
「バ、バカな。私にはそんなことはできなかった。やはりサウザンドマスターに、遺跡のガーディアンになる呪いをかけられているせいで…」
サンは戸惑っている。こんなはずでは…

「バカはお前だよ。使いこなせなかったのは、ヤツの呪いのせいではない。お前の想いが弱かったんだよ。」
「なに!?」
「お前がカードに込めた想いがくだらないと言っているんだよ。なにがエル族の新天地だ。そんな物はただの空想に過ぎん。」
「違う!!決して空想などでは…」
しかし、エヴァはサンに反論させない。
「それとだ。お前のぼーやに対する感情は、アスナのぼーやに対する想いにはとうてい及ばないということだ。サウザンドマスターへの復讐心からぼーやを自分の腕に仕立て上げようと企んだんだろうが、それもくだらん動機だ。」
「いいではないか!復讐の何が悪い!私は、私は…」
その時、3つの人影がこの空間に入って来た。
「フッ、復讐などという茶番に振り回されていたのか。我々は。」
そう言ったのは素子だ。
「呆れて物も言えませんね。覚悟してもらいましょうか。」
可奈子が毅然とした態度で、サンを見据える。
「ウシシ、やっつけたるで。」
カオラが言った。
「木乃香お嬢様…!!斬魔剣弐の太刀!!」
素子の技で、このかを拘束していた炎の鎖が切れ、このかは解放された。
さらに素子は残っていた遺跡の聖水を宙にまく。それにこのかが素早く反応して、練習用の魔法杖を取り出す。
「癒しの水よ、仲間達を癒せ…」
遺跡の癒しの水がアスナを、刹那を、楓を、真名を、古菲を、小太郎も、のどかも、そして夕映や和美、カモをも癒していく。
「ち、力が…力が戻ってくる。」
「おおっ…スゴイアル。」
真名と古菲が言った。
「よし、私も!」
刹那がネプチューンのカードを発動させる。髪や瞳が青くなったネプチューン刹那が癒しの力を仲間達に与える。
「おお!力がみなぎってきたで!」
「いけますよ、これは!」
と夕映。えらく活力が入ったようだ。彼女にしてはテンションが高い。
「よっしゃあ!!」
和美も元気を取り戻したようだ。
「もう大丈夫です。」
のどかもしっかりと立ち上がる。
「ネギ、やったじゃん!」
アスナがネギに駆け寄り、頭を撫でる。
「アスナさん、よかった、本当に!」
次々と復活していくネギ達。さすがのサンも、自分が追い詰められていくのに、焦りを感じずにはいられない。
「うう…おのれ、おのれ…!」
サンは最後に残された切り札を使うことを決意するのだった。
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by konosetu | 2001-01-01 00:52 | 自作小説 | Comments(0)